目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 自分でできる緑内障対策!リスクを下げる運動や食事のポイントと検診の推奨頻度

自分でできる緑内障対策!リスクを下げる運動や食事のポイントと検診の推奨頻度

 公開日:2025/12/08
緑内障のリスク要因と予防

緑内障のリスク要因を理解したうえで、日常生活でできる予防策や注意点を知っておくことは、疾患の進行を遅らせるために役立ちます。生活習慣の見直しや早期発見のための行動指針について、具体的にお伝えします。完全に防ぐことは難しくても、リスクを軽減する工夫は可能です。

柿崎 寛子

監修医師
柿崎 寛子(医師)

プロフィールをもっと見る
三重大学医学部卒業 / 現在はVISTA medical center shenzhen 勤務 / 専門は眼科

緑内障のリスク要因と予防

緑内障のリスク要因を理解したうえで、日常生活でできる予防策や注意点を知っておくことは、疾患の進行を遅らせるために役立ちます。

生活習慣とリスク管理

緑内障の発症や進行を完全に防ぐ方法は確立されていませんが、生活習慣の見直しによってリスクを軽減できる可能性があります。適度な運動は眼への血流を改善し、眼圧を下げる効果があるとされています。ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動が推奨されます。 ただし、逆立ちやヨガの一部のポーズなど、頭を下にする姿勢は一時的に眼圧を上昇させることがあるため、注意が必要です。また、管楽器の演奏や重いものを持ち上げる動作も眼圧上昇につながる場合があります。 食生活では、抗酸化作用のある食品(緑黄色野菜、果物、魚など)が視神経の保護に役立つと考えられています。一方で、カフェインの過剰摂取は一時的に眼圧を上昇させることがあるため、コーヒーや緑茶を大量に飲む習慣がある方は控えめにすることが望ましいでしょう。 喫煙は血流を悪化させるため、緑内障のリスク要因となります。禁煙は眼の健康だけでなく全身の健康のためにも重要です。ストレスの管理も大切で、過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、眼圧や血流に影響を与える可能性があります。

早期発見のための行動指針

緑内障のリスク要因を持つ方は、症状がなくても定期的に眼科検診を受けることが効果的な予防策です。40歳を過ぎたら年に1回、リスク要因がある方は半年に1回程度の検診が理想的とされています。 検診では、眼圧測定、眼底検査、視野検査に加えて、光干渉断層計(OCT)による視神経線維層の厚さ測定など、より詳細な検査を受けることができます。これらの検査によって、視野欠損が現れる前の段階で視神経のダメージを検出できる場合もあります。 家族歴がある方は、若いうちから眼科医に相談し、適切な検査スケジュールを立てることをおすすめします。また、全身疾患の治療を受けている方は、主治医と眼科医の連携のもと、総合的な管理を行うことが重要です。

まとめ

緑内障は初期症状に乏しく、進行すると視野が失われる疾患ですが、早期発見と適切な治療により、生涯にわたって良好な視機能を維持することは十分に可能です。40歳を過ぎたら定期的な眼科検診を受け、リスク要因がある方は特に注意深く経過を観察してください。治療の継続が進行を抑える鍵であり、点眼薬や手術によって眼圧をコントロールすることで失明を防ぐことができます。緑内障は「治らない」疾患ですが、「進行を止められる」疾患です。不安や疑問があれば、眼科専門医に相談し、納得のいく治療を選択してください。

この記事の監修医師