イソフラボンの適切な摂取量は?年代・性別ごとの推奨基準や過剰摂取・妊娠中の注意点を徹底解説

イソフラボンの健康効果を得るためには、適切な摂取量を理解することが不可欠です。日本人の推奨摂取量や安全な上限値は、科学的な根拠に基づいて設定されています。ここでは、年代別や性別による推奨量の違い、妊娠中や授乳中の注意点など、個々の状況に応じた適切な摂取量の基準について詳しく説明します。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
イソフラボンの適切な摂取量の基準
イソフラボンの健康効果を得るためには、適切な摂取量を知ることが重要です。
日本人の推奨摂取量
日本人の食事摂取基準においては、イソフラボンの具体的な推奨摂取量は設定されていませんが、内閣府食品委員会では、大豆イソフラボンアグリコンとして1日75mgを上限値として設定しています。これは安全性を考慮した上限値であり、この範囲内での摂取が推奨されています。
一般的には、1日30-50mgのイソフラボン摂取が健康維持に適切とされています。これは納豆1パック(約37mg)と豆腐半丁(約21mg)を摂取した場合の合計量に相当します。
妊娠中や授乳中の女性については、特別な注意が必要とされており、過剰摂取を避けるべきとされています。日常の食事レベルでの摂取は問題ありませんが、サプリメントの使用は控えることが推奨されています。
子どもについては、成長期における内分泌系への影響を考慮し、大人と同様の量を摂取することは避けるべきとされています。年齢に応じた適切な摂取量の調整が必要です。
年代別・性別による推奨量の違い
成人男性では、1日25-40mgのイソフラボン摂取が適切とされています。男性ホルモンへの影響を考慮し、女性よりもやや少ない摂取量が推奨されています。前立腺の健康維持には有効とされていますが、過剰摂取は避けるべきです。
閉経前の女性では、1日30-50mgの摂取が推奨されています。月経周期や妊娠・授乳の可能性を考慮し、安定した摂取量を維持することが重要です。
閉経後の女性では、1日40-60mgの摂取が有効とされています。エストロゲン分泌の減少を補完する効果が期待できますが、上限値を超えない範囲での摂取が重要です。
高齢者では、1日30-45mgの摂取が適切とされています。消化吸収能力の低下や薬物との相互作用を考慮し、やや控えめの摂取量が推奨されています。
まとめ
イソフラボンは大豆製品を中心とした食品に豊富に含まれ、女性ホルモン様作用により更年期症状の軽減や骨粗鬆症の予防などの健康効果が期待されています。適切な摂取量は1日30-50mgとされていますが、不足すると更年期症状の悪化や骨密度低下のリスクが高まり、過剰摂取するとホルモンバランスの乱れや消化器症状などの副作用が生じる可能性があります。日常の食事で納豆、豆腐、豆乳などをバランス良く取り入れ、個人の体質や生活習慣に応じて摂取量を調整することが重要です。
参考文献




