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「慢性硬膜外血腫」で手術が必要になる基準とは?検査方法や経過観察を医師が解説!

 更新日:2026/03/06
「慢性硬膜外血腫」で手術が必要になる基準とは?検査方法や経過観察を医師が解説!

頭痛などの症状を引き起こす病気に「慢性硬膜外血腫」というものがあります。

慢性硬膜外血腫は、頭の中の血管が損傷・出血することで起こる病気です。

発症原因のほとんどが外傷によるものですが、受傷して数日から数週間経って症状が現れるため発症原因に気づかないケースが少なくありません。

慢性硬膜外血腫は頭の中に血の塊(血腫)ができてしまうため、時には手術が必要になる病気です。

今回は慢性硬膜外血腫の検査や治療方法について説明します。

※この記事はメディカルドックにて『「慢性硬膜外血腫」の原因や症状などを解説!頭部を打撲してから数週間は要注意!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

慢性硬膜外血腫の検査や治療方法

MRI

慢性硬膜外血腫の検査方法を教えてください。

慢性硬膜外血腫の検査はCT(コンピューター断層撮影)装置で行われます。脳内を撮影できる装置にはCTとMRI(磁気共鳴画像)がありますが、硬膜外血腫を始めとした頭蓋内出血を疑う場合にはCT検査を行うのが一般的です。
CT検査はMRI検査に比べて検査時間が短く出血の描出も得意なので、頭蓋内出血の有無はCT装置を用いて調べます。

どのように診断されるのですか?

硬膜外血腫はCT画像において血腫部分が凸レンズ型に描出されるのが特徴です。出血したばかりの急性硬膜外血腫であれば凸レンズ型の血腫内は真っ白な高吸収域(ハイデンシティ)となります。これは赤血球や血小板などが凝集してX線を吸収するためです。
一方の慢性硬膜外血腫では時間の経過とともに高吸収域が減ります。時間が経った血腫は脳白質と同程度の吸収域(等吸収域:アイソデンシティ)になるため、血腫の濃度の違いにより急性・慢性の判断が可能です。このようなCT画像の所見によって慢性硬膜外血腫かどうか診断します。

慢性硬膜外血腫の治療方法を教えてください。

慢性硬膜外血腫の治療方法には「経過観察」と「手術」の2通りあります。頭部打撲などの外傷を受けた後、一定期間無症状である場合や症状が軽度な場合には経過観察にて血腫が自然に吸収されるのを待ちます。
慢性硬膜外血腫では症状が急激に悪くなる可能性が低いため、適切な経過観察を行えば自然に血腫が吸収され治癒するケースがあるからです。経過観察だけでは治癒が難しい場合は手術が適用されます。

手術が必要になるのはどのようなケースですか?

以下のようなケースの慢性硬膜外血腫では手術が必要です。

  • 血腫が大きい
  • 血腫が吸収されない

症状が乏しくとも血腫がある程度の大きさの場合には手術によって除去します。経過観察において血腫が吸収されず症状などに変化が見られないケースも手術が必要です。
大きく吸収されない血腫をそのまま放置しておくと脳は圧迫されたままとなり、頭痛などの症状が改善しません。そのような場合には速やかに手術を行い原因となっている血腫を取り除くことで症状改善が期待できます。

編集部まとめ

医療従事者
受傷後すぐに血腫が形成される急性硬膜外血腫は急激に症状が現れるため緊急性が高くすぐに手術が必要です。

一方の慢性硬膜外血腫では血腫の形成がゆっくりと進むため症状が現れにくく無症状であるケースも少なくありません

自覚する症状も軽度なものが多く見過ごしてしまうケースがあります。

慢性硬膜外血腫は時間の経過とともに自然と吸収されて治癒することもありますが、血腫がある程度の大きさのまま吸収されない場合は手術が必要です

頭をぶつけた後に頭痛などの違和感が続くという場合には、そのまま放置せずに一度CT検査を受けて調べるようにしましょう。

この記事の監修医師

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