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「慢性硬膜外血腫」は頭に徐々に血の塊ができる?急性と違う症状や原因を医師が解説!

 公開日:2026/03/03
「慢性硬膜外血腫」は頭に徐々に血の塊ができる?急性と違う症状や原因を医師が解説!

頭痛などの症状を引き起こす病気に「慢性硬膜外血腫」というものがあります。

慢性硬膜外血腫は、頭の中の血管が損傷・出血することで起こる病気です。

発症原因のほとんどが外傷によるものですが、受傷して数日から数週間経って症状が現れるため発症原因に気づかないケースが少なくありません。

慢性硬膜外血腫は頭の中に血の塊(血腫)ができてしまうため、時には手術が必要になる病気です。

今回は慢性硬膜外血腫の原因や症状について説明します。

※この記事はメディカルドックにて『「慢性硬膜外血腫」の原因や症状などを解説!頭部を打撲してから数週間は要注意!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

慢性硬膜外血腫の原因や症状

ポイント

慢性硬膜外血腫とはどのような病気ですか?

慢性硬膜外血腫とは脳を包む硬膜と頭蓋骨の間に血液が溜まり、血腫という血の塊ができてしまう病気です。脳は髄膜という膜で包まれており、外側から順に硬膜・くも膜・軟膜という3層構造をしています。
一番外側の硬膜は3層のうち一番丈夫な膜で頭蓋骨の内側に張り付いています。この硬膜と頭蓋骨の間に何らかの原因によって血液が溜まり血腫が形成されてしまう病気が硬膜外血腫です。
硬膜外血腫には「急性」と「慢性」があります。急性硬膜外血腫は血腫が数時間で形成され急激に症状が現れます。通常の硬膜外血腫は急性であるケースが多く緊急手術が必要な状態です。一方の慢性硬膜外血腫では血腫形成が緩やかに行われるため症状が現れるまで時間がかかります。そのため慢性硬膜外血腫は発症後数日から数週間経過した頃に発見されるケースが多いです。
慢性硬膜外血種の症状は軽度なケースが多いですが血種の大きさは必ずしも小さいわけではありません。比較的大きな血腫でも慢性化することがあり手術が必要となる症例もあります。

慢性硬膜外血腫の原因は?

硬膜外血腫を発症する原因のほとんどが外傷によるものです。交通事故・転落・転倒などにより頭部を打撲することで硬膜外血腫を発症します。
急性硬膜外血腫では受傷後すぐに血腫が急速に形成されるため、受傷から数時間程度で症状が現れ始めます。一方の慢性硬膜外血腫では血腫形成が緩やかです。
慢性硬膜外血腫では板間静脈などの出血量が比較的少ない血管が損傷して出血するため、硬膜と頭蓋骨の間に血液が溜まるまで時間がかかるからです。そのため慢性硬膜外血腫は症状が現れるまでに数日から数週間程度かかります。

症状について教えてください。

慢性硬膜外血腫を発症すると半数以上で頭痛・吐き気・嘔吐といった慢性頭蓋内圧亢進症状が現れます。しかし無症状のケースも少なくありません。
通常の急性硬膜外血腫では数時間以内に激しい頭痛・嘔吐・意識障害などが見られますが、慢性硬膜外血腫ではそのような激しい症状は見られません。数日から数週間ほど経ってから頭痛などの比較的軽度な頭蓋内圧亢進症状が現れます。
慢性硬膜外血腫の症状は軽度ですが手術が必要となるケースもあります。頭部打撲後に頭痛などの違和感を覚えたらそのまま放置せずに医療機関で検査を受けるようにしてください。

編集部まとめ

医療従事者
受傷後すぐに血腫が形成される急性硬膜外血腫は急激に症状が現れるため緊急性が高くすぐに手術が必要です。

一方の慢性硬膜外血腫では血腫の形成がゆっくりと進むため症状が現れにくく無症状であるケースも少なくありません

自覚する症状も軽度なものが多く見過ごしてしまうケースがあります。

慢性硬膜外血腫は時間の経過とともに自然と吸収されて治癒することもありますが、血腫がある程度の大きさのまま吸収されない場合は手術が必要です

頭をぶつけた後に頭痛などの違和感が続くという場合には、そのまま放置せずに一度CT検査を受けて調べるようにしましょう。

この記事の監修医師

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