「腎臓がん」の症状や転移しやすい部位はご存知ですか?【医師監修】
腎臓がんとは、腎臓の中の細胞が通常以上に増えてしまい、腫瘍を作る病気のことを指します。この病気は、初めのうちはあまり体に変化が出ないので、気付くのが遅くなってしまいがちです。
しかしながら、早く気付いて適切な治療をすれば、治る可能性も高まります。そのため、適切ながん検診を受けて、早期発見することが重要となるでしょう。
そこで、この記事では、より腎臓がんへの理解を深めるためにも、腎臓がんの症状や種類・原因などについてわかりやすく説明します。
※この記事はMedical DOCにて『「腎臓がん」の初期は自覚症状がほとんどない?危険因子や症状について解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
腎臓がんの症状や種類
腎臓がんの種類について教えてください。
次に一般的なのは腎盂がんです。これは腎臓の中心部にある腎盂と呼ばれる部分から発生します。腎盂がんは膀胱がんと同じく、尿路上皮(移行上皮)癌というタイプが一般的です。
また、主に3歳以下の幼児に見られる腎臓がんとしてウィルムス腫瘍という腎臓がんもあります。
どのような症状がありますか?
腎細胞がんが大きくなると次のような症状が現れることがあります。
- 血尿
- 背中や腰の痛み
- 腹部にしこりが生じる
- 足のむくみ
- 食欲不振や吐き気
- 便秘
- おなかの痛み
転移がある場合は、症状も異なります。肺に転移すると、胸の痛み・咳・血痰(けったん)などが現れることが多いです。骨に転移すると、骨の痛みや骨折のリスクが高まります。
脳に転移した場合には、頭痛や片側の運動麻痺(まひ)などの症状が現れることが多いです。がんが全身に広がると、発熱・倦怠感・体重減少などの全身的な症状が現れることもあります。
腎臓がんの危険因子は?
- 喫煙
- 肥満
- 高血圧
- 長期の腎臓病
- 遺伝
まず、長期間にわたる喫煙は腎臓がんのリスクを高めることが知られています。しかし、禁煙を始めれば、そのリスクは時間とともに減少します。次に体重が重すぎると、つまり肥満の状態では、腎臓がんになる可能性が高くなるでしょう。健康的な体重を維持することがリスクを抑える上でも重要です。
また血圧の高さも危険因子の1つです。そのため、血圧を適切に管理することで、このリスクを抑えるようにしましょう。
長期間にわたる腎臓の病気を持つ人も、腎臓がんのリスクが高まることが知られています。さらに、特定の遺伝性の病気を持つ人や、直系の家族が腎臓がんを患ったことがある人も、腎臓がんのリスクが高まる可能性があります。
これらの危険因子が存在すると腎臓がんのリスクが高まる可能性がありますが、必ずしも因子が存在するからといって、腎臓がんになるとは限りません。またこれらの因子が存在しない人でも、腎臓がんになる可能性はあります。健康状態の管理と定期的な健康診断が重要です。
腎臓がんが転移しやすいのはどこですか?
そのため、定期的に検診を受けて、早期に転移を見つけることが非常に重要となります。
編集部まとめ
腎臓がんは早期に発見できれば、治療の成功率が非常に高い病気です。
早期の腎臓がん、特に腎臓内に限定されている場合には手術による治療が可能で、5年生存率は非常に高いとされています。そのため、早期に腎臓がんを発見できれば、がんだからといってもそう心配する必要はありません。
しかしながら、定期的な健康診断や自己チェックが大切です。何か異常を感じたら、すぐに医療機関に相談しましょう。早期発見は、腎臓がんと闘う上で最も強力な武器の一つとなります。