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風邪かと思ったら「縦隔炎」?胸周りの炎症が起こす”8つの初期症状”を医師が解説!

 公開日:2026/02/28
風邪かと思ったら「縦隔炎」?胸周りの炎症が起こす”8つの初期症状”を医師が解説!

早期発見と早期治療が重要である縦隔炎は、発症頻度は比較的少ないものの重篤化しやすいのが特徴です。

「そもそも縦隔とはどこの部位を指すのだろう?」、「縦隔炎はどのような原因によって起こるのだろう?」など、様々な疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

縦隔炎は一般的に聞き馴染みが少ない一方で、抜歯などの歯科治療後にも起こりうる身近な疾患です。

この記事では縦隔炎の原因や症状を解説しているため、縦隔炎について詳しく知りたい方はぜひ記事を参考にしてください。

※この記事はメディカルドックにて『「縦隔炎」の症状や原因はご存じですか?早期発見が重要で糖尿病の方は要注意!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

縦隔炎の原因と症状

喉が痛い女性

縦隔炎はどこの部位の炎症をさすのでしょうか?

縦隔とは、前面に位置する胸骨・後面に位置する脊椎・肺を隔てる胸膜・下側の横隔膜に囲まれた部位に位置する胸部の区域を指し、この部位には心臓・弓部血管・大動静脈・気管・食道などの臓器を含みます。これらの臓器の間に存在する結合組織は感染に影響を受けやすく、この部位の炎症を縦隔炎といいます。

原因を教えてください。

縦隔炎の原因には降下性壊死性縦隔炎・食道裂孔に伴う縦隔炎・気道損傷に伴う縦隔炎・ウイルス等の感染症による縦隔炎・開心術後の縦隔炎の5つが挙げられます。
降下性壊死性縦隔炎とは、抜歯後の感染や扁桃腺炎など口腔や頸部の感染が縦隔へ侵入することで起きる疾患です。特に糖尿病の保有など感染に対する抵抗力が低い場合に多くみられます。
食道裂孔に伴う縦隔炎とは、入れ歯や薬剤の外包などの誤嚥・異物の通過に伴う食道損傷・内視鏡カメラなどの医療機器による損傷・外傷・食道癌による裂孔が原因となるものです。気道損傷に伴う縦隔炎とは、異物の誤嚥・外傷・癌の治療に伴うもの・気管支鏡の医療器具による損傷が原因となるものです。また結核などの細菌感染が原因となり、疾患を引き起こす場合もあります。
最後に開心術後の縦隔炎とは、心疾患に対する胸骨切開を伴う手術実施により、縦隔内に炎症を起こしてしまうものを指します。この場合は肥満・喫煙・糖尿病の保有・長時間に及ぶ手術実施・開心術を繰り返す再開胸手術の実施が感染危険因子です。

症状を教えてください。

症状は、炎症の程度や原因によって異なりますが、一般的に以下の8つが挙げられます。

  • 咳や喀痰
  • 疲労感
  • 発熱
  • 顔面・頸部・胸壁の発赤
  • 胸痛
  • 胸部不快感
  • 嘔気
  • 呼吸困難感

初期の段階では咳・喀痰・疲労感など、症状が風邪に似ているのが特徴です。進行するにしたがって、咳き込みや息切れはより悪化し「空気を取り込みにくい感覚がある」などの呼吸困難感や、胸部に痛みや圧迫感を覚える胸部不快感などを生じるようになります。
さらに重症化した場合は血圧低下や意識消失などのショック症状がみられることもあります。このように進行するにつれて症状が重くなるのが特徴のため、初期症状の段階で適切な診断を受けることが重要です。

自覚症状がない場合もありますか?

この疾患では自覚症状に乏しい場合もあります。早期の診断や治療が重要となるため、自覚症状に乏しい場合には、全身状態・血液検査所見・画像所見から総合的に判断していく必要があります。

編集部まとめ

カウンセリング
縦隔炎とは胸部の縦隔と呼ばれる部位に炎症が生じる疾患で、降下性壊死性縦隔炎・食道裂孔に伴うもの・気道損傷に伴うもの・結核等の感染症によるもの・開心術後の縦隔炎など、起こりうる原因は様々です。

特に、口咽頭腫瘍や頸部外傷に伴う腫瘍が筋膜に沿って縦隔へ至る「降下性壊死性縦隔炎」は、最も重症度が高く致死率が高いとされています。

また原因や症状によって治療期間も様々であり、原因がはっきりせず薬物療法の効果が上手く得られない場合や、手術後の全身状態によって治療が数か月に及ぶ場合もあります。

このように縦隔炎は重篤となるリスクが高い疾患であり、早期発見と早期治療が重要なため、症状が見られた場合はすみやかに医師の診察を受けることが大切です。

この記事の監修医師

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