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「コリン性蕁麻疹」は汗をかくと発症する?症状や原因も解説!【医師監修】

 公開日:2025/01/22

コリン性蕁麻疹は、アセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質の作用によって引き起こされます。汗腺から放出されるアセチルコリンが、皮膚に刺激を与え、蕁麻疹の症状を引き起こすとされています。コリン性蕁麻疹は個人差が大きく、軽度の場合は自然に治まることもありますが、重度の場合は専門医の診断を受け、適切な治療を受ける必要があります。ここでは詳しく解説していきます。

※この記事はMedical DOCにて『「コリン性蕁麻疹」は汗をかくと発症する?症状や対処法はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

コリン性蕁麻疹とは何?

コリン性蕁麻疹とは何?

コリン性蕁麻疹とは一体どんな病気?

コリン性蕁麻疹は、汗をかくことによって起こる蕁麻疹の一種であり、アセチルコリンという神経伝達物質が関与しています。
このタイプの蕁麻疹は、風呂上りや運動後など、発汗が多い状況で起こりやすく、一般的には小児から若い成人に多く見られます。
点状のポツポツとした蕁麻疹が現れます。
一つ一つの膨疹の大きさは3〜5mm程度で、かゆみや発赤などの症状を引き起こします。
また、汗が関与して出現するため、運動や高温多湿の環境下で発症することが多いです。

コリン性蕁麻疹の症状はなんですか?

コリン性蕁麻疹は、発汗をつかさどる神経伝達物質であるアセチルコリンが関与して起こる蕁麻疹です。
この疾患は、運動後や暑い環境下で汗をかいた時に発症し、発疹や膨疹、紅斑、かゆみ、チクチクした刺激、痛みなどの症状が現れます。
また、患者は汗をかいた際に、直ちに発疹や膨疹が現れるため、症状が出ている状態を見ることができます。
コリン性蕁麻疹は、小児から若い成人に多くみられ、女性の方が男性よりも発症しやすい傾向があります。
症状の出現頻度は個人差があり、一度発症すると再発しやすい場合があります。
また、この疾患は通常は自然治癒することが多いため、特別な治療が必要とされることはありませんが、治療を希望する場合は、皮膚科医に相談することが望ましいです。
コリン性蕁麻疹は、汗が関与して出現するため、汗ばむくらいに運動することによって、皮膚温度の上昇のために、皮膚が刺激されて発症することがあります。
そのため、熱中症対策や適切な運動量の調整、運動前後の水分補給、温度管理などが必要です。

コリン性蕁麻疹の原因はなんですか?

コリン性蕁麻疹の原因については、アセチルコリンの影響が大きく関わっているとされています。
アセチルコリンは、神経細胞間を伝達する神経伝達物質の一つであり、自律神経の副交感神経によって分泌されます。
このアセチルコリンが汗腺に作用して発汗を促す際に、同時に皮膚にも作用して症状を引き起こすと考えられています。
このようなアセチルコリンによる皮膚反応が起こることを「コリン性皮膚反応」と呼びます。
ただし、コリン性蕁麻疹の原因についてはまだ不明な点もあります。
例えば、なぜアセチルコリンが皮膚反応を引き起こすのか、また、なぜ特定の人にのみコリン性蕁麻疹が発生するのかといった点については、詳しい解明が必要とされています。
そのため、研究が進められており、新たな原因や治療法の開発が期待されています。
一方、コリン性蕁麻疹には、汗をかくと症状が現れるという特徴があるため、予防策として、発汗を抑えることが挙げられます。
具体的には、暑い環境下での運動を避け、涼しい場所で運動する、運動前に事前に体を冷やすことなどが考えられます。
また、症状が出た場合には、抗ヒスタミン薬や抗コリン薬、ステロイド薬などの薬物療法が用いられます。
ただし、薬物療法の効果は個人差があり、必ずしもすべての患者に同様の効果があるとは限りません。
そのため、症状に合わせた適切な治療法を専門医に相談することが重要です。

編集部まとめ

キーワード
汗をかくことによって、かゆみや発疹が出るのがコリン性蕁麻疹です。
コリン性蕁麻疹の特徴は、3〜5mm程度の小さな膨疹がたくさん現れることで、発汗する刺激によって現れます。
膨疹は独立しており、地図状や扁平な膨疹にはなりません。
また、症状がひどい場合には、チクチク感や痛みなどの症状が現れることが多いです。
症状が重い場合には、医師の診察を受けることが重要です。
医師による適切な治療を行い、症状を軽減することが大切です。

この記事の監修医師