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希少がん「乳房肉腫」は進行が早い?予後を左右するしこりの大きさと再発率も解説!

 公開日:2026/03/06
希少がん「乳房肉腫」は進行が早い?予後を左右するしこりの大きさと再発率も解説!

乳房肉腫は乳房にできる肉腫で、乳腺を取り囲んでいる間質と呼ばれる部位に悪性腫瘍ができます。発症するケースは非常に稀であり、まだ不明点の多い病気でもあります。

乳房にできる悪性腫瘍であることや乳房にしこりができるという点では乳がんと似ていますが、乳房肉腫と乳がんは異なる病気であることを最初に押さえておきましょう。

では乳房肉腫と乳がんは何が違うのでしょうか。この記事では乳がんの違いとあわせ、乳房肉腫の予後について解説していきます。

※この記事はメディカルドックにて『「乳房肉腫」の症状・原因・乳がんとの違いはご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

乳房肉腫の予後

ベッドで手を繋ぐ男女の手

乳房肉腫は進行しやすいのですか?

乳房肉腫は悪性度が高く、進行も早い病気です。発症初期にみられる症状は、肉腫の発生による乳房のしこり(腫瘤)です。発症後は急速に腫瘤が増大し、周辺の組織へ浸潤した場合には皮膚が赤くなる発赤や、皮膚の厚みが増す肥厚などの変化が見られます。
また、さらに進行すると腫瘍の出血や壊死が起こる場合があります。初期に見られるしこりができても痛みなどの症状はありません。そのため発見が遅れてしまい、診断時にはすでに浸潤や転移が進んでいる可能性もあります。
乳房肉腫などの血管肉腫は、その大きさが予後を左右するといわれています。欧米では5cm以上だと予後が良くないとされているため、もし小さいものであっても乳房にしこりを感じ、皮膚にも変化が現れた場合には速やかに病院を受診しましょう。

乳房肉腫の予後は?

乳房肉腫の予後は不良であり、再発する可能性もあります。再発するか否かを左右する要因の1つは、他のがんや肉腫などと同様に肉腫の切除状況です。先述した通り、基本的には切除手術を行います。部分切除を行う場合もありますが、腫瘤の周辺に浸潤している可能性も考えられるため乳房の全切除手術が推奨されています。
肉腫の完全摘出ができた場合には再発する確率を下げることができるでしょう。しかし、乳房肉腫を根治することは非常に難しく、摘出手術後の再発率は高いのが現状です。また、乳房血管肉腫の場合は肉腫が転移することもあり、特に肺・肝臓などに転移するケースが多いとされています。
肺に転移した場合、嚢胞と呼ばれる風船のような袋ができてしまい、これが破綻すると呼吸困難に陥ります。血流が多い嚢胞の場合には、血液がたまる血気胸になってしまうこともあるでしょう。予後が良好であったとしても、急に他の臓器への転移が発覚し、急速に進行してしまうのが血管肉腫の怖いところです。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

乳房肉腫は極めて稀な病気のため、症例数も少なく、未だ原因の特定や効果的な治療法が確立されていない疾患です。また、急速に進行するため早期発見・早期治療が求められる病気でもあります。
乳房にしこりを感じる場合に考えられる病気は乳がんが代表的ではありますが、乳房肉腫の初期症状とも考えられます。乳房に違和感を覚える場合には速やかに病院へ受診しましょう。

編集部まとめ

思いやりハートのイメージ
乳房肉腫は乳がん同様に乳房にできる悪性腫瘍ですが、発生率は低く非常に稀な疾患です。

発症する原因や有効な治療法など分かっていないことも多く、放射線療法などの有用性が明らかになっていないため、肉腫がある乳房の切除が望ましいとされています。

発症後は進行が早く、早期発見・早期治療が求められる病気です。

初期症状として見られる乳房のしこりは乳がんも考えられるため、少しでも乳房に違和感を覚えた場合には早めに病院へ受診しましょう。

この記事の監修医師

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