「ピロリ菌感染症」の治療期間・再発の有無はご存知ですか?医師が監修!
ピロリ菌という言葉を1度は耳にしたことがあるかと思います。
なんとなく良くないイメージがありますが、実際ピロリ菌についてどの程度知っていますか。
ピロリ菌は放っておくと、胃腸にまつわる病気を引き起こす原因になります。
幼少期に感染することが多いといわれていますが、感染するとどのような症状が出現するのでしょうか。
今回は、感染経路・治療・再発など、ピロリ菌について詳しく解説していきます。
※この記事はMedical DOCにて『「ピロリ菌感染症」になると現れる自覚症状・原因はご存知ですか?医師が監修!
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
目次 -INDEX-
ピロリ菌感染症の治療期間と再発
ピロリ菌感染症の治療期間はどのくらいでしょうか?
1次除菌が終了すると4週間以上空けてピロリ菌の検査を行い、除菌できていない場合は2次除菌に移行します。2次除菌では、1次除菌と異なる抗生物質を含む3種類の薬を同様に7日間内服します。
2次除菌までいくと、80~90%以上の方が治癒可能です。1次除菌で治癒した方と合わせると2次除菌までで97%以上の方が感知します。つまり、70%以上の方は7日間で除菌に成功し、97%以上は14日間で除菌できます。
それでも除菌できない場合は、3次除菌に移行しますがまだ研究段階のためピロリ菌の専門家に相談し治療方法を考えます。
ピロリ菌感染症は自然治癒するのでしょうか?
まれに違う病気で内服した薬がたまたま効いて除菌できたというケースもありますが、基本的には除菌治療が必要です。放置していても良いことはなく、胃に悪い影響を与えて大きな病気に繋がる危険性があります。
ピロリ菌感染症を患っていると分かったら、自然治癒を期待するのではなく適切な病院を受診して適切な治療を受けることが必要です。
ピロリ菌感染症は再発しますか?
除菌してからしばらく胃の検査を受けずにいて、胃もたれや胃の不快感がある場合は再度検査を受けるのがおすすめです。
また、除菌後の検査でまだピロリ菌が存在しているのに陰性反応がでてしまう「誤陰性」には注意が必要です。
内服期間後に1か月以上の休薬期間をとらずに除菌後検査を受けると誤陰性に繋がります。検査を正しく受けて、誤陰性を防ぐことが重要です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
その間胃の粘膜はピロリ菌に攻撃され続けているのです。長い期間攻撃されて弱った胃の粘膜は、除菌後すぐに回復せず元通りになるのに時間がかかります。
最近では、自治体によっては無料でピロリ菌検査を行っています。たとえ無自覚でも1度ピロリ菌の検査を受けてみると良いでしょう。
編集部まとめ
今回はピロリ菌感染症の症状・感染経路・治療・再発について詳しく解説しました。
ピロリ菌感染症は幼少期に感染していることが多く、無自覚・無症状がほとんどです。
衛生環境の良くなった日本では、ピロリ菌の感染者も減少傾向にあります。しかし、中高齢者層は衛生環境が良いとはいえない環境で育っている方が多いです。
そのため、祖父母や親から感染する可能性も否定はできません。感染している状態を放置すると、胃がんのリスクも高まります。
除菌は内服で簡単にできるので、気になる方はまずは検査をしてみましょう。