「血餅」をご存知ですか?取れた場合や白くなる原因も解説!【医師監修】
血餅(けっぺい)をご存じでしょうか?血餅とは、抜歯後にできるかさぶたのようなものです。
血餅は歯茎の自然治癒機能により起こる現象で、放っておいても問題ありません。しかし、血餅が剥がれると「ドライソケット」という状態になり、痛みが出ます。
抜歯を経験したことがない方の多くは、これらの用語について馴染みがないほか、抜歯後のケアなどについて不安に思うかもしれません。
そこでこの記事では、抜歯後の血餅について、その特徴・注意点・取れるまでの時間などを解説します。
抜歯を予定している方は是非とも最後まで読んでいただき、適切なケアの参考になれば幸いです。
※この記事はMedical DOCにて『「血餅(けっぺい)」をご存知ですか?取れた場合や白くなる原因も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修歯科医師:
酒向 誠(酒向歯科口腔外科クリニック)
目次 -INDEX-
血餅(けっぺい)とは
血餅(けっぺい)とはどのような症状でしょうか?
抜歯後の窪みには血液がたまり、血液中の血小板の凝固作用で出来上がるのが血餅です。血餅によって患部の止血・保護がなされ、自然治癒が可能となります。
しかし血餅ができないケースもあり、その場合はドライソケットと呼ばれ、骨がむき出しになり痛みが伴います。また炎症も起こりやすくなるのです。
なお、血餅は口内にできるため乾燥しづらく、柔らかいのが特徴です。
抜歯後どのくらいで血餅(けっぺい)ができますか?
血餅の形成から1ヶ月程度で歯肉が形成されていきますが、その過程で血餅は自然に剥がれます。ただし形成から間もない時期は血餅が剥がれやすいため、舌や指でいじるなどの行為は控えましょう。
血餅(けっぺい)の色が白いのですが…。
抜歯から3〜5日程度で白っぽいブヨブヨした物質が形成されますが、この物質は7〜10日程度で自然に剥がれ落ちるため放っておいて問題ありません。歯茎の自然治癒には必要なプロセスです。
血餅が自然に剥がれ落ちるまでは細菌などの侵入を防ぐ重要な役割を果たしているため、無理に取り除くのは避けましょう。
血餅(けっぺい)がどんどん大きくなるのは問題ないでしょうか?
特に肝臓病や白血病の方など血液に疾患がある方は、止血がうまくいかずに血餅が大きくなる傾向にあります。血餅の大きさが気になる場合は診察を受け、適切な処置をしてもらうのが良いでしょう。
編集部まとめ
この記事では抜歯後にできる血餅について、その特徴・注意点・取れるまでの時間などについて解説しました。
また、歯科医師に相談すべき症状についても詳しく解説しました。
血餅は抜歯後に自然に起こる症状で、歯茎の治癒には不可欠な存在です。そのため、無理に剥がそうとするのではなく、取れないように細心の注意を払いましょう。
抜歯後の症状には馴染みが薄い方も多く、ドライソケットになる方は一定数存在します。少しでも判断に困ることがあれば、遠慮せずに歯科医師へ相談しましょう。
歯茎の自然治癒が適切かつ早期に完了すれば、その後の矯正など、各種治療をスムーズに進められます。