「慢性疲労症候群」に治療法はあるの?受診科目も解説!【医師監修】
公開日:2024/12/06
目まぐるしい時代の変化に伴い、日々強いストレスやプレッシャーを感じている方が大半を占める世の中になりました。
いつの間にか疲れた状態が日常的になっており、それゆえに危機感を抱いている方はほとんどいないことでしょう。
しかし、疲労の中にも「慢性疲労症候群」という立派な疾患があることをご存じでしょうか。
あなたが通常の疲れだと我慢していたその症状も、実は「慢性疲労症候群」によるものかもしれません。
本記事では、本人も周囲の方も気づくことが難しい「慢性疲労症候群」について詳しく解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「慢性疲労症候群」になると現れる症状・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
目次 -INDEX-
慢性疲労症候群の診断・検査方法や治療法
慢性疲労症候群の診断ではどのような検査をしますか?
慢性疲労症候群には様々な症状があり、原因もわかっていないため、客観的な検査方法がありません。
そのため、診断されるまでに数年かかってしまうこともあります。
検査方法として一般的な血液検査・尿検査・甲状腺検査・心電図・MRIといったものでは特徴的な異常がみられません。
まずはこれらの検査を行って、何も異常がないことを確認します。
そして、問診による検査と、他の疾患との鑑別を行います。あらゆる病気の可能性から除外されてようやく慢性疲労症候群として診断されるのです。
それだけに慢性疲労症候群の検査や診断は難しいものとされています。
そのため、診断されるまでに数年かかってしまうこともあります。
検査方法として一般的な血液検査・尿検査・甲状腺検査・心電図・MRIといったものでは特徴的な異常がみられません。
まずはこれらの検査を行って、何も異常がないことを確認します。
そして、問診による検査と、他の疾患との鑑別を行います。あらゆる病気の可能性から除外されてようやく慢性疲労症候群として診断されるのです。
それだけに慢性疲労症候群の検査や診断は難しいものとされています。
慢性疲労症候群の治療法が知りたいです。
慢性疲労症候群には、決定的な治療法がありません。
患者さんの症状に合わせて治療法を模索していくことが一般的です。
ただ慢性疲労症候群は心理的作用が強いため、対症療法として鎮痛薬・抗うつ薬などを投与したり、カウンセリングをしたりする治療法が有効になることが多い傾向にあります。
最近ではビタミンB12やビタミンCが、睡眠障害だけでなく脱力感・疲労感にも有効であることがわかってきたため、慢性疲労症候群の治療に使われることがあります。
患者さんの症状に合わせて治療法を模索していくことが一般的です。
ただ慢性疲労症候群は心理的作用が強いため、対症療法として鎮痛薬・抗うつ薬などを投与したり、カウンセリングをしたりする治療法が有効になることが多い傾向にあります。
最近ではビタミンB12やビタミンCが、睡眠障害だけでなく脱力感・疲労感にも有効であることがわかってきたため、慢性疲労症候群の治療に使われることがあります。
慢性疲労症候群を疑う場合、何科を受診したら良いのでしょうか?
慢性疲労症候群の疑いがある場合には、内科や精神科を受診しましょう。
疲労感や倦怠感が強い場合には内科、抑鬱状態など心理的な問題が大きい場合には精神科を受診することがおすすめです。
ただ、慢性疲労症候群の診断基準は、患者さんの自覚症状や医師の主観的な部分に依存しているため、診断や治療方法にずれが生じてしまうことがあります。
そのような事態を避けたい場合には、内科や精神科ではなく、慢性疲労症候群を専門的に扱っている医師に相談するようにしましょう。
疲労感や倦怠感が強い場合には内科、抑鬱状態など心理的な問題が大きい場合には精神科を受診することがおすすめです。
ただ、慢性疲労症候群の診断基準は、患者さんの自覚症状や医師の主観的な部分に依存しているため、診断や治療方法にずれが生じてしまうことがあります。
そのような事態を避けたい場合には、内科や精神科ではなく、慢性疲労症候群を専門的に扱っている医師に相談するようにしましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
私たち人間には、発熱・痛み・疲れの三大生体アラートがあるとされています。
これらのアラートは、身体に休息を取るように催促するために発動するものです。このような社会的状況ですから、三大アラートの1つである「疲労」を当たり前のものだと認識してしまうのは仕方がありません。
しかし、中には慢性疲労症候群という指定難病の候補として検討されるほど大きな病気が隠れている可能性は決してゼロではありません。
このことを忘れないようにしましょう。
そして、ご自身の身体に続いているその不調は、本当に通常の疲れなのでしょうか。
これを機会にぜひ振り返ってみてください。そこでもし原因不明の疲労が長期間続いていると感じたのであれば、遠慮せず医療機関を受診することをおすすめします。
これらのアラートは、身体に休息を取るように催促するために発動するものです。このような社会的状況ですから、三大アラートの1つである「疲労」を当たり前のものだと認識してしまうのは仕方がありません。
しかし、中には慢性疲労症候群という指定難病の候補として検討されるほど大きな病気が隠れている可能性は決してゼロではありません。
このことを忘れないようにしましょう。
そして、ご自身の身体に続いているその不調は、本当に通常の疲れなのでしょうか。
これを機会にぜひ振り返ってみてください。そこでもし原因不明の疲労が長期間続いていると感じたのであれば、遠慮せず医療機関を受診することをおすすめします。
編集部まとめ
慢性疲労症候群は原因がわかっておらず、診断も難しい病気です。
それに伴い、当の本人が通常の疲れだと勘違いして我慢してしまったり、周囲から怠けていると誤解され続けてしまったりすることは少なくありません。
慢性疲労症候群は立派な病気です。
お一人で悩まず、きちんと医療機関を受診して診断してもらう必要があります。
原因不明の疲労や多様な症状が半年以上続いている場合は、放置せずに内科や精神科を受診するようにしましょう。
参考文献