「ペルテス病の予後」はどうなる?【医師監修】
公開日:2025/02/07

ペルテス病とは、生後18カ月ごろからの子供に発症する可能性がある病気であり、大腿骨頭が壊死してしまう病気です。
原因などは明確なものがわかっておらず、痛みを訴えないケースもあるため、発見が遅れるケースも少なくありません。
適切な対処や早期発見をするためにも、あらかじめペルテス病について知ることが非常に大切です。
そこで本記事では、ペルテス病の予後について詳しく解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「ペルテス病」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
ペルテス病の予後について
ペルテス病の治療の経過について教えてください
治療の経過は、まず入院を行います。入院時点で、股関節の炎症が生じているケースが多いため、まずは牽引を行って炎症の改善に向けての取り組みが必要です。
この間は、24時間ベッドの上での治療となります。2週間~3週間ほどすると炎症などが改善してくるため、外転装具を作成して装着し、車いす生活を始めます。数カ月の車いす生活となりますが、その間は筋力低下を防ぐためにリハビリが必要です。
こうして変形や壊死した箇所が回復し、レントゲン上でも新しい骨の確認ができたら、新たな歩行のための歩行用免荷外転装具を取り付け3カ月~4カ月程度治療を行います。
その後は、装具を取り外して歩行訓練を開始し、安定して歩行できるようになったら退院となります。
この間は、24時間ベッドの上での治療となります。2週間~3週間ほどすると炎症などが改善してくるため、外転装具を作成して装着し、車いす生活を始めます。数カ月の車いす生活となりますが、その間は筋力低下を防ぐためにリハビリが必要です。
こうして変形や壊死した箇所が回復し、レントゲン上でも新しい骨の確認ができたら、新たな歩行のための歩行用免荷外転装具を取り付け3カ月~4カ月程度治療を行います。
その後は、装具を取り外して歩行訓練を開始し、安定して歩行できるようになったら退院となります。
ペルテス病は完治しますか?
ペルテス病は完治する病気です。しかし、最終的にどのような関節になれば良いかをしっかりと把握して治療を終えなければ、将来歩行時に支障をきたす場合があります。
特に後遺症が出始めるのが40代以降といわれています。大腿骨頭が丸くならずに完治できていない場合、歩行や立っているだけで痛みが生じるケースがあるのです。そのため、完治したと判断する条件をしっかりと押さえておきましょう。
大切なポイントは、大腿骨頭が丸く成長できそうかとレントゲンでの確認のタイミングです。治療を行わなくても、将来的に大腿骨頭が丸くなる可能性が高ければ問題ないと判断されることもあります。将来的な後遺症の心配はほとんどないでしょう。また、レントゲンによって最終的な治療結果を検討しますが、そのタイミングも重要です。
あまりにも低い年齢では意味がありません。骨がまだ成長段階であるためです。骨の成長が完了する時期に合わせて、最低でも15歳以降のタイミングで判断する必要があります。
これらのポイントをもとに完治したかを判断し、後遺症が発症しないようにしましょう。
特に後遺症が出始めるのが40代以降といわれています。大腿骨頭が丸くならずに完治できていない場合、歩行や立っているだけで痛みが生じるケースがあるのです。そのため、完治したと判断する条件をしっかりと押さえておきましょう。
大切なポイントは、大腿骨頭が丸く成長できそうかとレントゲンでの確認のタイミングです。治療を行わなくても、将来的に大腿骨頭が丸くなる可能性が高ければ問題ないと判断されることもあります。将来的な後遺症の心配はほとんどないでしょう。また、レントゲンによって最終的な治療結果を検討しますが、そのタイミングも重要です。
あまりにも低い年齢では意味がありません。骨がまだ成長段階であるためです。骨の成長が完了する時期に合わせて、最低でも15歳以降のタイミングで判断する必要があります。
これらのポイントをもとに完治したかを判断し、後遺症が発症しないようにしましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
ペルテス病は、活発な男の子にみられる病気です。発症率は1万人に1.5人という数字ですが、決して珍しくない病気です。
しかし、本人から自覚症状を教えてもらい発見に至るケースはほとんどありません。多くの場合、周囲が跛行の姿を確認して発見に至ります。そのため、見つかった時には症状が悪化しているケースも珍しくありません。
将来に後遺症を残さないためにも、治療期間を少しでも短くするためにも、早期発見と早期治療が重要です。万が一症状に該当する場合や、不安がある場合には、専門の医療機関へ相談しましょう。
しかし、本人から自覚症状を教えてもらい発見に至るケースはほとんどありません。多くの場合、周囲が跛行の姿を確認して発見に至ります。そのため、見つかった時には症状が悪化しているケースも珍しくありません。
将来に後遺症を残さないためにも、治療期間を少しでも短くするためにも、早期発見と早期治療が重要です。万が一症状に該当する場合や、不安がある場合には、専門の医療機関へ相談しましょう。
編集部まとめ
ペルテス病は、大腿骨頭が変形したり壊死したりしてしまう病気です。しかし、決して完治しない病気ではありません。
しっかりと時間をかけて治療を行えば、後遺症も発生することなく完治させられます。とはいえ、治療期間は長いです。
早期に発見できれば短期間の入院で良い場合もありますが、3年~4年ほど必要とするケースも少なくありません。
少しでも治療をスムーズに、短期間で終えるために早期発見できるようお子様の様子をしっかりと見ておきましょう。
もし、病気について不安な場合は、専門の医療機関に相談しましょう。
参考文献