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「聴器がん」を疑う初期症状・原因・生存率はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/01/28

聴器がんとは、聴覚に関する部位に発生する悪性腫瘍のことを指します。発症率が低く、早期発見が難しいことが特徴です。

しかし、病気に関する知識を身につけていれば、早期発見や病気の治癒が望めます。知識を活かすことで、予防や再発の防止にもつながるでしょう。

本記事では、聴器がんの症状などの基礎知識をはじめ、診断・治療方法や予後についても紹介しています。

聴器がんに悩まされている方はぜひこの記事を参考にして、病気の治療や予防などに役立ててください。

※この記事はMedical DOCにて『「聴器がん」を疑う初期症状・原因・生存率はご存知ですか?医師が監修!!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

聴器がんの基礎知識

ベッドルームにいる男性(耳が痛い)

聴器がんの症状について教えてください

聴器がんとは、聴覚に関係する臓器である聴器に発生する悪性腫瘍のことです。聴器は外耳・中耳・内耳の3つに分類されます。外耳に発生するケースが最も多く、次いで中耳のがんがみられます。
内耳のがんはほとんど発症しません。主にみられる症状は、耳だれ・耳の痛み・耳からの出血などです。腫瘍ができる場所によっては、聴力低下・耳閉感・腫瘤形成といった症状がみられます。
また、腫瘍が神経に影響を及ぼす位置にできた場合には、顔面神経麻痺の症状が表れるケースもあります。

聴器がんに初期症状はありますか?

聴器がんの初期症状は、耳の違和感として表れる場合が多いです。耳だれ・痛み・聞こえにくさなどの症状があります。ただし、これらの症状が必ずしもがんであるというわけではありません。

外耳炎でも似た症状が起こり、良性の腫瘍の場合でも耳の違和感が生じるケースがあります。耳に違和感があるならば、早めに医療機関を受診して原因を特定すると良いでしょう。
がんであった場合、早期発見・早期治療をすることが大切になります。軽い症状だからと放置せず、医師に相談しましょう。

聴器がんの主な原因を教えてください

聴器がんの中で最も多いのが外耳道がんです。このがんは、耳掃除のしすぎによって発症すると考えられています。
耳かきによって外耳道に慢性的な刺激が与えられ、その刺激が悪性腫瘍の発生を引き起こします。そのため、耳かきのやりすぎには注意が必要です。

聴器がんの発症率はどのくらいですか?

聴器がんは希少がんとも呼ばれ、非常に発症例が少ないことでも知られています。発症率はおよそ100万人に1人の確率です。
聴器がんは咽頭がんや口腔がんなども含まれる頭頚部がんの一種ですが、その中でも最も発症率は低いです。頭頚部がんのうち、およそ1%〜2%の症例しかありません。
発症率が低いことと初期症状が他の病気に似ていることから、病気の発覚が遅れることがあります。最初は良性疾患と診断されたのに、後からがんだったと判明するケースも見受けられます。

聴器がん生存率はどのくらいですか?

がんは一般的に、発見・治療が遅れるほど生存率が低くなる傾向にあります。聴器がんの場合、病気の発見が難しいため発見が遅れるケースが多いことから、生存率が低めです。
5年生存率は50%程度になります。しかし、病気の早期発見・早期治療を行うことで、生存率はさらに高くなります。治療が上手くいけば、5年生存率は60〜80%程度に上昇するでしょう。
順調な予後を過ごすためには、病気を早期発見し、適切な治療を行うことが大切です。

編集部まとめ

カウンセリングを受ける女性
聴器がんは、聴覚に関係する部位にできる悪性腫瘍です。希少がんとも呼ばれ、100万人に1人という非常に少ない確率で発症します。

みられる症状は、耳だれ・耳の痛み・耳の出血・耳閉感などです。しかし、これらの症状は他の疾患でもみられるものであるため、がんの発見は難しいといわれています。

行われる主な治療は、手術療法です。手術で悪性腫瘍を除去しますが、がんの進行度や発生した部位によっては神経などの除去が必要になり、手術のリスクも高くなります。

治療をスムーズに行い予後も良好にするためには、病気の早期発見・早期治療が大切です。耳に異常がある場合はすぐに医療機関を受診してください。

発症例が少ないことから、治療中に不安を感じることもあるでしょう。不安や悩みは担当医に相談して、解消しながら治療に取り組むようにしましょう。

この記事の監修医師