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「下咽頭がん」に初期症状はある?原因や発症率も解説!【医師監修】

 公開日:2025/01/23

下咽頭がんとは、咽頭の下部に発生する悪性腫瘍のことを指します。初期症状があまりなく、発見が遅れてしまうことが多い病気です。

病気を治癒するためには、早期発見・早期治療が大切になります。また、その病気に関する知識を身につけ、対策を知っておくことも欠かせません。

本記事では、下咽頭がんの特徴や症状などの基礎知識を紹介しています。これらの情報を把握しておくことで、病気への向き合い方が分かるようになるでしょう。

下咽頭がんに悩まされている人はぜひこの記事をチェックして、予防や治療に役立ててください。

※この記事はMedical DOCにて『「下咽頭がん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

下咽頭がんの基礎知識

苦しそうな女性

下咽頭がんの特徴を教えてください

下咽頭がんとは、下咽頭に発生する悪性腫瘍のことです。鼻の奥から食道までの空気の通り道である咽頭は、上から順に上咽頭・中咽頭・下咽頭と分けられます。下咽頭は最も下にあり、喉頭蓋谷から輪状軟骨下縁までの部位を指します。
下咽頭はリンパ節に近いため、悪性腫瘍ができるとリンパ節転移が起きやすいです。また、中咽頭がんが重複して発症するケースもよくみられます。
下咽頭がんは大きく3つの種類に分けられます。それぞれで発症の頻度も異なり、梨状陥凹型がおよそ70%・後壁癌が25%・輪状後部癌がおよそ5%です。

下咽頭がんに初期症状はありますか?

下咽頭がんは、初期症状がほとんどみられないことが特徴です。そのため、病気の早期発見が難しいといわれています。
発見時にはすでに進行している場合が多く、診断時に病気の進行がみられるケースはおよそ80%となっています。下咽頭がんによって引き起こされる症状は、喉の痛み・違和感・声の出しにくさなどです。血痰や吐血がみられる場合もあり、進行すると呼吸困難が生じます。
また、リンパ節に転移がある場合、首にしこりが確認できます。このしこりから病気が発覚するケースも多いです。病気を治癒するためには、早期発見することが大切になります。以上のような症状が気になった場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

下咽頭がんの原因は何ですか?

下咽頭がんは、タバコやアルコールが原因となって発症します。そのため、喫煙や飲酒の習慣がある人は発症のリスクが高いです。
がんの予防には発症のリスクを高める要因を回避することが有効であるため、喫煙・飲酒の習慣がある人は生活習慣を見直してみると良いでしょう。

下咽頭がんの発症率はどのくらいですか?

下咽頭がんが発症しやすいのは、50〜60歳代です。また、70・80歳代でも発症するケースがみられます。
男性の方が発症率は高く、女性の4〜5倍発症しやすいです。男性のおおよその発症率は10万人あたり2人程度になります。加えて、過度な喫煙・飲酒は発症のリスクを高めるため、喫煙・飲酒のある年配の男性は特に発症しやすいです。

下咽頭がんのステージごとの生存率はどのくらいですか?

下咽頭がんのステージは、3つの観点から悪性腫瘍の状態をみて判別します。みられる観点は、がんの広がり・がんのリンパ節への転移の有無と個数・遠隔転移の有無です。
がんが大きく広がり、リンパ節やその他臓器への転移が1個以上確認された場合、進行したがんとして診断されます。ステージが進んだがんになると、生存率が低くなります。
ステージが軽い場合、5年生存率は80〜90%ほどです。しかし、ステージが進むにつれて生存率が下がり、30〜40%ほどになります。さらにいえば、下咽頭がんは早期発見が難しい病気です。そのため、発見時にはがんのステージが進んでいることも少なくありません。
できるだけ早く病気を発見し、治療に取り組むことが生存率の上昇につながります。

編集部まとめ

喉の受診
下咽頭がんとは、咽頭の下部にできる悪性腫瘍のことです。喫煙・飲酒が原因となって引き起こされる病気です。

この病気は、初期症状が強く表れることはほとんどありません。そのため早期発見が難しく、発見時にはステージが進行していたケースも多くあります。

発見・治療が遅れると5年生存率が下がり、治療にもリスクが伴うようになります。このことから、できるだけ早期の発見・治療をすることが望ましいです。

早期発見をするために、定期的に検診を受けるようにしましょう。また、予防のために喫煙・飲酒を控えることも大切です。

この記事の監修医師