「脊柱管狭窄症」の初期症状・なりやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは加齢や衝撃などによって、背骨が変形することで脊髄や神経が圧迫されて起こる病気です。
狭窄した部位によって、手や下肢にしびれや痛みが出るほか、麻痺(まひ)が起こって歩けなくなったり排泄がうまくできなくなったりすることがあります。
脊柱管の狭窄部位によって、上から頚部脊柱管狭窄症・胸部脊柱管狭窄症・腰部脊柱管狭窄症に分けられ、全般に狭窄する広範脊柱狭窄症もあります。
これらのなかで最も多いのが腰部脊柱管狭窄症です。
※この記事はMedical DOCにて『「脊柱管狭窄症」になると現れる初期症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
脊柱管狭窄症の症状と原因
脊柱管狭窄症の症状を教えてください。
加齢や衝撃による背骨の変形によって、脊柱管が押しつぶされて狭窄することがあり、そうなると脊柱管の中を通る脊髄や神経が圧迫されるのが脊柱管狭窄症です。
症状としては手指や下肢のしびれや痛み・麻痺による歩行障害・排尿障害などがあります。また腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状として間欠性跛行(はこう)があり、これは歩き続けていると痛みやしびれが強くなるのに、少し休めばまた歩けるようになる状態のことです。
発症する原因を教えてください。
また、背骨が変形する椎間板ヘルニア・脊椎すべり症・脊椎側弯症などは、脊柱管の狭窄が起こりやすく発症することが多い病気です。そのほか、交通事故や激しいスポーツの衝撃による背骨の変形も、脊柱管の狭窄を起こしやすく発症につながります。
どのような人がなりやすいですか?
また、若い世代でも激しいスポーツによって椎間板ヘルニアとなったのをきっかけに発症することがあり、長時間同じ姿勢でいるデスクワーカーも狭窄を起こしやすく要注意です。
受診を検討するべき初期症状を教えてください。
- 長い時間立っていたり歩いたりすると、下肢にしびれや痛みが出ることがある
- 痛みやしびれが出ている時に、座ったり前かがみになったりすると楽になる
- 背骨を後にそらして伸びたりすると痛みが出る
- 下肢の両方にしびれや痛みが出る
- 歩くと痛みやしびれが出るが、自転車なら問題なく乗れる
- 下肢のふんばりが利かない
- 腕や指に痛みやしびれがあって、うまく動かせない
- おしりが火照ったりしびれたりすることがある
- 頻尿・尿もれ・残尿感が気になる
- よく便秘になる
これらの症状がいくつかみられたら、できるだけ早く整形外科で診察を受けてください。
編集部まとめ
脊柱管狭窄症を防ぐには、ふだんの生活において姿勢を正しく保ち、背骨への負担を減らすことが大切です。
しかしその一方で、すでに発症している場合は、無理に背筋を伸ばすと悪化することがあるので注意が必要です。
脊柱管は一度狭窄してしまうと自然治癒は難しいため、上でご紹介した初期症状に心当たりがある場合は、必ず整形外科で診察を受けておきましょう。
とくに高齢者は、症状が進むと寝たきりになる可能性があるので、1日でも早く受診することをおすすめします。