「レイノー病」を放置するとどうなるか・日常生活での注意点はご存知ですか?
公開日:2024/11/06
レイノー病とは、どんな方にも突発的に発症しうる病気です。主に手足などの末端に発生し、皮膚が白くこわばったり痺れたりといった症状を引き起こします。
レイノー病・レイノー症候群・レイノー現象など様々な呼び名があり、同じ症状を指す場合や程度によって使い分ける場合もあるのもポイントです。
今回の記事ではレイノー病の症状の特徴や原因・受診先・治療法のほか、日常生活での注意点などをQ&A形式でご紹介します。
誰にでも起こりうるからこそ、いざという時に慌てないために詳しくチェックしておくことをおすすめします。
※この記事はMedical DOCにて『「レイノー病」を放置するとどうなるか・何科を受診するべきかご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
レイノー病の注意点
レイノー病を放置するとどうなりますか?
- レイノー病の多くは寒冷刺激によって血管が異常に萎縮してしまった状態のため、患部を冷やしすぎない通常通りの生活で回復することもあります。
- ただしあまりに血管が萎縮した状態が続くと末端神経症を併発したり、患部に腫瘍ができて痛む場合があるため注意が必要です。
- また原因となる持病がはっきりしている場合(特に強皮症などの場合)は、レイノー現象を放置することで持病が悪化することも考えられます。基本的にはすぐに患部を温め、長く放置しないように心がけましょう。
レイノー病を発症した場合の日常生活での注意点を教えてください。
- レイノー病を発症した場合は、とにかく患部の冷えを防止することが大切です。特に冬場の荒天時の外出などでは、手袋や靴下が濡れた状態で長時間過ごすと末端の温度が著しく低下します。防寒具が濡れた場合にはすぐに乾かし、手指などを冷やしすぎないようにしましょう。
- また冷水での洗い物なども、レイノー病の発症・悪化を誘発します。特に、急激な寒冷刺激は末端の血管を強く萎縮させるため注意が必要です。
- レイノー病の症状として皮膚や関節のこわばりが見られる場合は、無理に動かさないことも大切です。加えて、動脈硬化などの心臓疾患を誘発する喫煙も控えるべきとされます。煙草に含まれる成分には血管を萎縮・硬化させる作用があり、レイノー病やそのほかの血管疾患を誘発する恐れがあるためです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- レイノー病は女性に多く、末端の冷えで不意に発症することもある病気です。すぐに対処すれば重篤化することはまれですが、普段から手指の冷えなどには気を使っておきましょう。
- また、強皮症・リウマチ・動脈硬化といった血管系の疾患を持つ方はレイノー現象を併発しがちです。末端の血流が悪化しているのは、持病に関する何らかのサインかもしれません。
- すぐに温めても症状が緩和されない場合や痛みの強い場合、また持病の心当たりがある場合は速やかに内科・リウマチ科などを受診するようにしてください。
編集部まとめ
今回は女性や持病のある方に多く発症するとされるレイノー病(レイノー現象)について、その特徴や対処法などを中心にまとめてきました。
重篤化することは多くないとはいえ、放置すれば末端神経症や腫瘍などの原因にもなる病気です。必要以上に軽視せず、発症時はきちんとした対応を心がけましょう。