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「血痰(けったん)」を発症すると「肺がん」も疑うべき?症状・原因も解説!

 公開日:2025/04/14
「血痰(けったん)」とは?症状・原因・治療方法も解説!【医師監修】

血痰とは、痰に血液が混じることです。突然症状が出たことがある方もいるのではないでしょうか。

血痰は実は重大な病気の可能性もあり、あらかじめ緊急性が高い症状であるかなど正しい情報を押さえておく必要があるでしょう。

そこで本記事では、血痰の原因や症状についてご紹介します。

※この記事はMedical DOCにて『「血痰(けったん)」とは?症状・原因・治療方法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

プロフィールをもっと見る
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

血痰の症状と原因となる病気

呼吸が苦しい女性

血痰とはどのような症状でしょうか?

  • 血痰とは、気道からの出血が痰に混じっている状態のことをいいます。少量の血が痰に混じっているため赤みがかっています。通常、痰は気道を守るための粘液です。そして、気道に炎症が生じると粘液が沢山作られるメカニズムとなっています。気道にたまった粘液などの分泌物が咳で吐き出されるものを痰と呼びます。気道には普段から沢山の血管が通っていますが、炎症が起こっている場合はさらに細かい血管が増え、そこを流れる血液量も増える構造です。ここに咳などの刺激が生じると、血管が傷つきます。その結果、少量の出血が生じて、痰に血が混じり発症します。

血痰の原因となる病気を教えてください。

  • 原因として考えられる病気は、次のようなものが代表的です。
  • 風邪
  • 気管支炎
  • 肺炎
  • 気管支喘息
  • 気管支拡張症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 肺結核
  • 血を固まりにくくする薬を飲んでいる場合
  • 原因として、最も代表的なものが風邪です。発症したものの中でも、約3分の1を占めています。次いで気管支炎・肺炎による血痰が多いです。気管支炎とは、ウイルスや細菌が気管に入り込んで炎症を起こす病気です。肺炎とは、細菌やウイルスが肺の中に入り込んで肺の中で炎症を起こす病気となります。また、気管支喘息とは気道が炎症を起こすなどの病気であり、気管支拡張は何らかの原因で、気管支が広がってしまった状態で、原因は、先天的な原因や幼小児期の肺炎、繰り返す感染などで、気管支壁が壊れたり弱くなることにより生じます。慢性閉塞性肺疾患は煙草を主な原因とする疾患で咳と痰を特徴とする病気です。肺結核は結核菌に感染することでかかる病気です。初期症状は風邪のような症状が続きますが、病気が進行することで血痰が生じます。また、直接的な気管や肺の病気ではありませんが、血を固まりにくくする薬を飲んでいる場合も血が混じりやすくなります。出血すると血が止まりにくいため、痰に血液が混じりやすいのです。

肺がんの可能性はありますか?

  • 主な原因となる病気は風邪とご紹介しましたが、重い病気の可能性もあります。その1つが肺がんです。肺がんは、気管・気管支・肺胞に癌ができる病気です。初期段階では、ほとんど症状が現れないこともあり、咳や血痰が出てくるだけのことがあります。このことから、肺がんの可能性も決して無視できません。しかし、肺がんを発症する可能性が高い患者には特徴があります。その特徴とは、高齢者ではありますが、通常喫煙歴は通常1日の本数×年数(喫煙指数)で表現されます。この喫煙指数が1200をこえる人では、吸わない人に比べて6.4倍肺がんになりやすいといわれています発症した場合には、この条件に該当するかで肺がんの可能性が高いかどうかがわかります。

吐血や喀血とはどのように違うのでしょうか?

  • 主な原因となる病気は風邪とご紹介しましたが、重い病気の可能性もあります。その1つが肺がんです。肺がんは、気管・気管支・肺胞に癌ができる病気です。初期段階では、ほとんど症状が現れないこともあり、咳や血痰が出てくるだけのことがあります。このことから、肺がんの可能性も決して無視できません。しかし、肺がんを発症する可能性が高い患者には特徴があります。その特徴とは、高齢者ではありますが、通常喫煙歴は通常1日の本数×年数(喫煙指数)で表現されます。この喫煙指数が1200をこえる人では、吸わない人に比べて6.4倍肺がんになりやすいといわれています発症した場合には、この条件に該当するかで肺がんの可能性が高いかどうかがわかります。

吐血や喀血とはどのように違うのでしょうか?

  • 血痰と同じような症状として、喀血吐血の他に鼻からの出血、鼻・口腔の血管拡張なども重要な鑑別診断に挙げられますがあります。しかし、いずれも症状の内容が異なるため、区別しましょう。喀血とは血液そのものを咳と共に吐く状態のことをいいます。また、同時に息が苦しかったり、胸が痛いなどの症状をともなうことがあります。一方、吐血とは口から血が嘔吐と一緒に出るような状態で、暗い赤色やコーヒーの色をしています。喀血は吐血と比較すると、血液の赤みが強く泡が混じることが多いです。

編集部まとめ

吐き気を感じる女性
血痰は、痰に血液が混じる症状です。主な原因は風邪であることが分かってはいますが、恐ろしい病気の症状である可能性もあります。

その判断のためには、血液の量や喀血・吐血との違いなど、正しい知識を身につけておくことが必要となります。

重大な病気を悪化させないためにも、病気の種類や受診の目安など情報を把握しておき、万が一に備えておきましょう。

この記事の監修医師

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