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「カテキンを過剰摂取」すると現れる症状はご存知ですか?管理栄養士が解説!

 公開日:2025/12/03
「カテキンを過剰摂取」すると内臓のどこに負担がかかる?管理栄養士が解説!

カテキンの効果とは?メディカルドック監修医がカテキンのデメリット・過剰摂取すると現れる症状などを解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「カテキンを摂取すると得られる5つの効果」はご存じですか?管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中島 三容子

監修管理栄養士
中島 三容子(管理栄養士)

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一般企業で約20年自動車部品の設計補助業務に従事したのち、栄養士の世界へ。2022年に管理栄養士資格取得後は、国家試験対策教材の制作サポートや食育コーディネートに携わる。また、持続血糖測定の管理事務および保健指導を行い、ひとりひとりの「なんとなくわかっちゃいるけど」に寄り添いアプローチする。

「カテキン」とは?

「カテキン」とは?

ポリフェノールの一種で、タンニンと呼ばれる水溶性の苦味・渋味成分の代表格が「カテキン」です。カテキンは、ポリフェノールの中でも白色の色素成分であるフラボノイド系フラバノール類に分類されます。カテキンには複数の種類がありますが、緑茶に含まれる主なカテキン4種類(エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート)のうち3種類が日本の化学者により発見されました。茶カテキンが特定保健用食品として許可され市販されるなど、これらの成分のもつ生体調節機能には健康維持や病気の予防に役立つ可能性があるとして注目されており、国内外でさまざまな研究が行われています。

カテキンの一日の摂取量

カテキンの一日の摂取量

日本人の食事摂取基準2025年版に、カテキンの摂取量の基準はありません。特定保健用食品の有効性試験として、BMIやコレステロールが高めの健常成人に対し、茶カテキン1日あたり約400~650mgの継続摂取で体脂肪減少やコレステロール値低下がみられたとの報告があります。また、安全性試験として1日あたり約1400mgの茶カテキンを4週間摂取させた結果、有害事象はなかったと報告されています。ただし、食品安全委員会はカテキンの「安全性については、摂取量に関する信頼できるデータが見当たらない。」としており、カテキンを抽出したサプリメントの安全性については今後も十分な検討が必要です。

カテキンのデメリット

カテキンのデメリット

肝臓への負担

緑茶など通常の食品に含まれるカテキンの量では、肝臓への影響はほとんどないと考えられていますが、国外ではカテキンがダイエット用サプリメントの原料としても使われており、緑茶サプリを摂取した一部の人に肝機能障害が生じたという報告があります。

鉄分吸収の阻害

濃い緑茶などを大量に摂取した場合、体内でカテキンが結合し高分子のタンニンに変わります。野菜や海藻などの植物性食品に含まれている非ヘム鉄は、タンニンとともに摂取することで吸収率が低くなります。

胃への負担

カテキンが結合したタンニンは、酸化しやすい性質をもった渋み成分です。酸化したタンニンはタンニン酸へと変化し、このタンニン酸が胃粘膜が薄くなる原因になっている可能性があると言われています。

服用中の薬の効果への影響

カテキンの医薬品との相互作用として、β遮断薬(降圧薬)であるナドロールの血中濃度低下や脂質異常症用薬であるスタチン系医薬品やワルファリンの血中濃度増加などが報告されており、服用中の薬の意図した効果が得られないことがあります。服薬の際は、水または白湯をお勧めします。

カテキンを過剰摂取すると現れる症状

カテキンを過剰摂取すると現れる症状

通常の飲食による摂取では過剰摂取によるリスクはほとんどありませんが、サプリメントなどで高濃度のカテキンを摂取した場合には注意が必要です。

肝機能障害

サプリメントなどで高濃度のカテキンを摂取した場合、肝臓に負担がかかり、肝機能障害を引き起こすことがあると報告されています。肝機能検査の異常値を示す場合には、内科を受診してください。また、サプリメントなどの摂取を検討する際には主治医や薬剤師に相談しましょう。

鉄欠乏性貧血

カテキンの過剰摂取により鉄分の吸収が阻害されることで、鉄欠乏性貧血のリスクとなるため、鉄の必要量が増す妊婦や既に鉄剤を服用中の方は注意が必要です。爪の変形や頭痛、倦怠感などの症状が現れた場合には、ただちに内科を受診してください。

消化器系の不調

カテキンの過剰摂取で生じるタンニン酸はタンパク質を凝固させる働きがあり、胃の粘膜を荒らすことで、消化不良や吐き気、下痢などの原因となります。このような症状が現れた場合は、主治医もしくは消化器内科を受診しましょう。

「カテキンの効果」についてよくある質問

「カテキンの効果」についてよくある質問

ここまでカテキンの効果を紹介しました。ここでは「カテキンの効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

カテキンを毎日摂取するとどんな効果が現れますか?

中島 三容子中島 三容子

体脂肪が多めの方に脂肪をつきにくくしたり、コレステロールが高めの方にLDLコレステロールを減らすなど、さまざまな効果が示唆されています。ただし、特定保健用食品の注意事項として「多量に摂取することにより、疾病が治癒したり、より健康が増進できるものではありません。」と記載されているように、用量を守ることが肝要です。

カテキンが一番多く含まれているお茶について教えてください。

中島 三容子中島 三容子

カテキンが一番多く含まれている緑茶にはさまざまな種類があります。玉露や抹茶は日光をさえぎって生育させた若葉が使われており、うま味成分のテアニンも多く含む特徴があります。さらに、抹茶は粉末にした茶葉からその成分を全て摂ることができます。ただし、緑茶にはカテキンの他にカフェインやシュウ酸も多く含まれており、それらの過剰摂取によるリスクには特に注意が必要です。カフェインの過剰摂取では不眠や動悸、めまいなどの症状が現れることがあり、シュウ酸の過剰摂取では尿路結石や腎障害のリスクとなります。

編集部まとめ

カテキンは、疫学的調査で有効性が認められ、様々な効果が期待されています。しかし、その機序には未解明の部分が多く、今後もさらなる研究が必要です。ひとつの成分に注目するのではなく、太古の昔から人類がしてきたように、バランスのとれた食事や適度な運動とともに、カテキンを含む食品を少しずつこまめに取り入れることが健康への第一歩です。

「カテキン」と関連する病気

「カテキン」と関連する病気は11個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内科の病気

循環器内科の病気

歯科の病気

「カテキン」と関連する症状

「カテキン」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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