何と一緒に摂取すると「大豆イソフラボン」の効果を高められる?管理栄養士が解説!

大豆イソフラボンを効率よく摂取する方法とは?Medical DOC監修医が大豆イソフラボンを過剰摂取すると現れる男女別、妊娠中の女性の症状・一日の摂取量・効果などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「大豆イソフラボンを摂り過ぎる」と現れる症状とは?管理栄養士が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修管理栄養士:
田中 純子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「大豆イソフラボン」とは?

大豆イソフラボンは、大豆の芽の部分に多く含まれる成分です。大豆全体の中にわずか0.2~0.4%程度しか含まれていないためとても貴重です。女性ホルモン(エストロゲン)と分子構造が似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれます。大豆イソフラボンの特徴は、女性ホルモン「エストロゲン」(卵胞ホルモン)に似た働きをし、女性の美しさや若々しさを手助けしてくれることにあります。
大豆イソフラボンの一日の摂取量

普段の食事から得られる大豆イソフラボンに加え、トクホやサプリメントで摂取する場合は合計で70~75mg/日以内に収まるようにすることが推奨されます。
大豆イソフラボンの効果

更年期の症状を緩和
発汗・めまい・肩こり・頭痛・疲労感・不安やイライラ・・・こうした更年期の症状を和らげてくれます。更年期の症状は、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が急激に減少してバランスが壊れることによって引き起こされます。大豆イソフラボンは、エストロゲンが不足している際にその作用を部分的に補うことができますが、その効果はエストロゲン本来の作用と比べてはるかに弱いことが知られています。このため、イソフラボンを摂取することで得られる効果は穏やかなものであり、エストロゲンを完全に代替するものではありません。
美肌作用
シミやシワを改善して美肌に導く効果があります。大豆イソフラボンの持つ抗酸化作用がコラーゲンの破壊を抑制することで、みずみずしさや弾力のある肌を得られます。
生活習慣病の予防と改善効果
大豆に含まれる「サポニン」には脂肪燃焼を促進させる効果があり、摂取することで肥満予防効果が期待できます。また大豆に含まれる「レシチン」は肝臓での脂質代謝を上げて、悪玉コレステロールを下げる効果があり、動脈硬化予防が期待できます。
骨密度の高い強い骨を作る
骨は、古くなった成分を壊して骨のしなやかさを保つ「骨吸収」と、食べ物から摂取したカルシウムが血液から骨へと運ばれる「骨形成」で新陳代謝を行っています。特に女性は更年期以降、骨量の維持に関与している「エスロトゲン」の分泌が減ってしまうため、「骨吸収」を抑えて、丈夫な「骨形成」を維持することが難しくなってきます。骨量が減って骨が弱くなると、骨折や骨粗鬆症のリスクが高まります。「エストロゲン」は骨からのカルシウムの溶出を抑えてくれます。
乳がんリスクを下げる
乳がんの多くは「エストロゲン」の影響を受けていて、分泌量が多いほど発症リスクが高まります。大豆イソフラボンは「エストロゲン」が不足している時には補う作用を発揮し、逆に過剰にある時には抑制する作用を兼ね備えています。
男性の更年期の症状を緩和
睡眠障害・性欲減退・ED・疲労感・不安・イライラ・・・こうした更年期の症状を和らいでくれます。男性ホルモン「テストステロン」の分泌量が年齢とともに減少してバランスが壊れることによって引き起こされます。
前立腺肥大
活性型男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」が60代ころから、一転「悪玉男性ホルモンになってしまうことにより、前立腺を肥大化させやすくなります。この前立腺肥大症の予防にもイソフラボンは効用的です。前立腺がんのリスクを減少させる可能性も示唆されています。
大豆イソフラボンを効率よく摂取する方法

大豆イソフラボンを多く含む食品の摂取
さまざまな食品と組みあわせを楽しみながら、大豆イソフラボンを無理なく摂取し続けていくのが良いですね。
(例)納豆1パック+味噌汁(絹ごし豆腐1/4丁+味噌10g)+大豆水煮15g
36mg+19mg+3mg+7mg=65mg
1日に必要な大豆イソフラボンをお手軽に摂取できるので是非試してみて下さい。
大豆イソフラボンと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
- 鮭
- いわし
- 海苔
- しじみ
- あさり
大豆に含まれる植物性たんぱく質は、エネルギーを抑えやすい上に食物繊維も同時に摂ることができるのがメリットです。一方で動物性たんぱく質と比べて脂質が少ない物が多く、アミノ酸スコアが低めのため、植物性たんぱく質のみで必要十分量を摂るのが難しくなります。ビタミンB12を補足して貧血等のリスクを避けると良いです。
大豆イソフラボンの効果を高める摂取タイミング
イソフラボンは体内で徐々に代謝され、約8~12時間で半減するため、複数回に分けて摂取する方が効果的です。朝食からはじまり、複数回に分けて摂取することで、持続的に体内での利用が可能になります。
大豆製品を摂取するタイミングについて時に決まりはありません。ただし、22時以降の大豆製品摂取は、他の食品と同様にカロリーの過剰摂取を避けるため控えるのが望ましいです。
「大豆イソフラボンの過剰摂取」についてよくある質問

ここまで大豆イソフラボンの過剰摂取を紹介しました。ここでは「大豆イソフラボンの過剰摂取」についてよくある質問に、Medical DOC監修管理栄養士がお答えします。
大豆イソフラボンの一日の摂取上限量について教えてください。
田中 純子
食品安全委員会のリスク評価では、特定保健食品としての大豆イソフラボンの安全な1日の上乗せ摂取は30mg/日以内に抑えるべきとしています。
特定保健食品等を合わせて大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限値は70mg~75mgとしています。万が一超えても、直ちに健康被害に結びつくというものではありません。
まとめ
日本人は、豆腐・納豆・煮豆・味噌などの「伝統的な大豆食品」について、日常生活における長い食経験があります。これらの大豆食品を召し上がることによる大豆イソフラボンの健康への有害な影響を過剰に心配する必要はないようです。健康面・美容面に非常にうれしい効果があり、ダイエット効果もあるとされている大豆製品を是非、今後の食卓の一品として追加してみて下さい。
「大豆イソフラボン」と関連する病気
「大豆イソフラボン」と関連する病気は11個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
「大豆イソフラボン」と関連する症状
「大豆イソフラボン」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
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- 糖代謝(HbA1c)
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- 膣や膀胱の伸縮性や、自浄作用がなくなる