原発性副甲状腺機能亢進症とは? 骨や腎臓への影響と早期発見の重要性【医師解説】

若年性の骨粗しょう症や尿路結石を繰り返すなどの場合は、もしかしたら原発性副甲状腺機能亢進症かもしれません。聞き慣れない病名かもしれませんが、放置すると様々な合併症を引き起こすことも。そこで原発性副甲状腺機能亢進症について、ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島の中口先生にメディカルドック編集部が詳しく話を聞きました。

監修医師:
中口 裕達(ハートメディカルクリニックGeN横浜綱島)
編集部
副甲状腺とはなんですか?
中口先生
副甲状腺とは、甲状腺の後方に位置する小さな内分泌腺です。通常左右に2つずつ、合計4つ存在し、直径5mmほどの米粒大の大きさです。主な役割は、副甲状腺ホルモン(以下、PTH)を分泌することです。
編集部
副甲状腺ホルモンはどのような働きをしているのですか?
中口先生
簡単にいえば血液中のカルシウム濃度を調整し、骨、腎臓、腸管に作用することで、体内のカルシウムバランスを維持する重要な働きを担っています。
編集部
もう少し詳しく教えてください。
中口先生
PTHは、血液中のカルシウム濃度が低下すると分泌が促進され、逆にカルシウム濃度が高くなると分泌が抑えられる仕組みになっています。PTHは、主に3つの器官に働きかけます。まず、骨に作用して骨の中のカルシウムを血液中に放出させます。次に、腎臓でのカルシウムの再吸収を促進し、尿中に排出されるカルシウムの量を減らします。さらに、小腸ではPTHがビタミンDを活性化することによって、食事からのカルシウム吸収量を増やします。これらの作用によって、血中カルシウム濃度が正常範囲に維持されるのです。
編集部
原発性副甲状腺機能亢進症とは、この副甲状腺に異常が起きる病気なのですか?
中口先生
はい。原発性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺からホルモンが過剰に分泌される病気です。その結果、血液中のカルシウム濃度が高くなり、骨や腎臓に影響を与えます。骨がもろくなったり、腎結石を繰り返すような症状が出たりした場合に診断されることが多いです。近年では健康診断で高カルシウム血症を指摘されたり、骨粗しょう症の検査を通じて、無症状の段階で偶然発見されたりするケースが増えています。また、遺伝的要因が関与することもあり、若年での発症は多発性内分泌腫瘍症(MEN)などの遺伝疾患の一部として起こることもあります。
※この記事はメディカルドックにて<「副甲状腺」の異常により尿路結石や骨粗しょう症をきたす疾患があるのをご存じですか?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
