うつ病と自律神経失調症は何が違う? 症状の特徴と「精神症状の強さ」の差を医師が解説

「うつ病」も「自律神経失調症」も、働く人に多くみられる疾患です。一体、うつ病と自律神経失調症にはどのような違いがあるのか、「シモキタよあけ心療内科」の副島先生に解説していただきました。

監修医師:
副島 正紀(シモキタよあけ心療内科)
編集部
うつ病と自律神経失調症の違いについて教えてください。
副島先生
まずは、症状が異なります。うつ病の場合にはイライラ、不安、焦り、感情の喪失などの意欲の変化を主とした精神症状や、不眠、食欲低下、頭痛、疲労感などの身体症状がみられます。自律神経失調症は精神科の病名には該当しないのですが、同様の症状がみられます。ただし、自律神経失調症と比べてうつ病の場合は、精神症状が極度に強いという特徴があります。
編集部
どういうことでしょうか?
副島先生
うつ病の場合、「2週間以上、気分の落ち込みや絶望を感じる」「前ほど趣味を楽しめなくなったり、興味がなくなったりする」といった精神症状が、非常に重度になることがあります。自律神経失調症の場合には精神症状がみられても、うつ病ほど強くはありません。
編集部
自律神経失調症よりも、精神症状が強く出るのがうつ病ということですか?
副島先生
はい、簡単に言うとそうなります。反対に、自律神経失調症に多くみられる症状としては、動悸やほてり、耳鳴りといった身体症状が挙げられます。うつ病でもこれらの症状がみられることがありますが、それほど強くはありません。
編集部
それはなぜでしょうか?
副島先生
自律神経失調症は文字通り、自律神経が乱れることによって起きる疾患です。心臓の拍動や体温調節などは自律神経の働きによるものなので、この神経が乱れることでそうした症状が出現しやすくなります。
編集部
自律神経が乱れる原因はなんですか?
副島先生
様々なことが考えられます。仕事や経済的な事情からくる精神的ストレスが原因になることもありますし、生活習慣の乱れやホルモンバランスの変化なども関係しています。
※この記事はメディカルドックにて<「うつ病」と「自律神経失調症」の違いはご存じですか? 特徴的な症状・予防法も医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




