肺非結核性抗酸菌症(MAC症)の正体は? 身近な「水回り」に潜む肺MAC症の原因と感染経路【医師解説】

結核菌以外の抗酸菌が肺に感染して起こる病気のことを、肺非結核性抗酸菌症といいます。治療は年単位となるケースも多く、根気良く治療に取り組むことが必要です。「咳が長引いている」「汚い痰が続く」といった場合はもしかしたら肺非結核性抗酸菌症かもしれません。今回は「肺非結核性抗酸菌症」の基礎知識について、ふかさわ呼吸器・消化器内科クリニックの蛸井先生に詳しく教えてもらいました。

監修医師:
蛸井 浩行(ふかさわ呼吸器・消化器内科クリニック)
編集部
肺非結核性抗酸菌症とはなんですか?
蛸井先生
肺非結核性抗酸菌症とは、非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria:NTM)による肺感染症のことをいいます。「抗酸菌」とは、酸で脱色できない性質を持つ菌であることから名づけられました。その代表は結核菌です。非結核性抗酸菌とは文字通り「結核菌以外」の抗酸菌のことで、現在190種以上が知られています。肺非結核性抗酸菌症の原因の多くがMAC(Mycobacterium avium complex)と呼ばれるタイプの菌で、MACによる肺感染症を特に「肺MAC症」と呼んでいます。
編集部
どういう感染経路を辿るのですか?
蛸井先生
基本的に非結核性抗酸菌は身の回りの環境中に広く生息しています。そのため感染ルートも幅広いと考えられています。
編集部
特にどのようにして感染することが多いのですか?
蛸井先生
特に多いのは水回りです。例えば、患者さんの痰から検出された菌と、患者さん宅の浴室ぬめりやシャワーヘッド、浴室の排水溝で検出された菌が完全一致したという研究結果があり、浴室は感染経路の一つと考えられています。
編集部
人から人へ感染することはあるのですか?
蛸井先生
いいえ。人から人へ感染することは基本的にありません。
※この記事はメディカルドックにて<【咳・痰が気になる人必見】急増する「肺非結核性抗酸菌症」の症状と対処法>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




