「ダイエット外来」の治療内容とは?検査でわかる太る原因と無理のない改善法【医師解説】

自己流のダイエットで何度もリバウンドを経験し、挫折している人もいるのではないでしょうか。そんなときは、ダイエット外来が頼りになるかもしれません。健康的に痩せるために、ダイエット外来ではどのような治療をおこなうのか、「中島内科クリニック」の中島先生に解説していただきました。

監修医師:
中島 茂(中島内科クリニック)
編集部
医療機関でダイエットのサポートをしてもらえるのですか?
中島先生
ダイエット外来や肥満外来と呼ばれる診療科目では、ダイエットのサポートをおこなっています。医師や管理栄養士、理学療法士などそれぞれの専門家がチームを組み、一人ひとりの個性をよく把握して、その人に最適なプログラムを講じてダイエットを手助けします。
編集部
どのようなプログラムがあるのですか?
中島先生
その人がなぜ肥満になったのかという原因にもよりますが、多くの場合は食事指導と運動指導が中心になります。なぜなら、誤った食生活と運動不足で肥満に至った人が圧倒的に多いからです。そうした生活習慣は無意識に蓄積されたものですが、本当は自分でも「食べ過ぎている」「食生活が偏っている」「運動が不足している」と気づいていると思いますが、どう改善したらいいのかわからない人がとても多いのです。そこで、医師や管理栄養士などのプロと一緒に、「なぜ太ってしまったのか」という原因を探り、その人に適した改善策を見つけるのです。
編集部
食事指導では、どんなことをおこなうのですか?
中島先生
例えば当院では、治療をはじめるにあたってまず血液検査や尿検査、心電図検査をおこないます。それから「インボディ(InBody)」という機器を使って脂肪や筋肉の量を測定します。これらのメディカルデータを参考にしながら、その人に不足している栄養素はないか、皮下脂肪や内臓脂肪はどれくらい蓄積されているかなど現在の状況をしっかり確認します。それをもとに、その人に最適な食事プログラムを提案します。
編集部
様々な検査をおこなうのですね。
中島先生
加えて、当院の場合は糖尿病が専門であるため、糖負荷試験もおこないます。糖負荷試験はブドウ糖液を飲んでもらい、その後に血糖値がどれくらい上昇するか、インスリンの分泌に異常がないかなどを調べる検査です。肥満の人の場合、糖尿病を発症していなくても糖尿病患者に類似した傾向が見られることがあるため、それに基づいて食事のアドバイスをします。
編集部
食事の制限が多いのですか?
中島先生
これまであまりに食べ過ぎていた人はある程度、適正な食事量に戻すために制限が科されるかもしれません。しかし、食事は毎日続けるべきものなので、あまりストレスに感じられると継続することが難しくなってしまいます。そのため、一人ひとりのライフスタイルや嗜好に合わせ、無理なく継続できる食事指導をおこなうことが大切だと考えています。
編集部
運動が苦手なのですが、やらなければならないのでしょうか?
中島先生
運動は体内のエネルギーを消費したり、筋肉量を増やしたりする上では欠かせません。しかし、運動をすること自体がストレスになるとかえって肥満の原因にあることもあるため、無理をするのは禁物です。運動が苦手な場合には、自分にもできそうなものを探してみることが大切です。「駅まで自転車を使わずに歩いてみる」「毎朝10分だけ散歩をしてみる」など、日常に運動を取り入れる工夫をすると無理なく続けることができます。また、ヨガやダンスなどの運動の趣味を見つけることも、運動不足の解消に役立つでしょう。
※この記事はメディカルドックにて<医師が教える「健康的に痩せる方法」 ダイエット外来での治療のメリットも解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




