通院の負担減! 「訪問診療」では具体的にどんな治療が受けられる?【医師が解説】

なんとなく知っているけど、実際にどんな人が利用できるのか、どうやって始めたらいいのかわからないなど、ハードルが高い印象を持つ人が多い「訪問診療」。しかし、実際には思ったより気軽に利用してもいいのだそうです。そこで今回は、訪問診療では具体的にどんな治療が受けられるかについて、「ふじたあんしんクリニック」の藤田先生に解説していただきました。

監修医師:
藤田 正彦(ふじたあんしんクリニック)
編集部
具体的に、訪問診療では何をしてくれるのでしょうか?
藤田先生
医師による問診や視診・触診、聴診などのほかに、例えば検査であれば血液検査や尿検査などができます。さらに、医療機関にもよりますが心電図検査やレントゲン検査、超音波検査など、検査機器を使用した検査もおこなえます。
編集部
では、どのような治療が受けられるのですか?
藤田先生
点滴や注射、薬の処方や床ずれの治療、胸水・腹水穿刺など、患者さんの状態に応じて幅広い治療に対応しています。ほかにも、骨折の固定や輸血、高カロリー輸液の投与、褥瘡(じょくそう)の外科的処置、胃瘻やバルーン、胃管などの管類の交換、在宅酸素療法なども実施します。がんなどの終末期医療のケースでは、麻薬や在宅酸素療法などを使った緩和ケアも提供することができます。
編集部
訪問診療を受けるメリットについて教えてください。
藤田先生
訪問診療の魅力は、住み慣れた自宅でリラックスしながら医療を受けられる点にあります。また、通院の必要がないため、患者さんや家族の時間的、身体的負担を大きく減らせます。さらに、医師が直接自宅の環境を確認することで、より生活に即したケアやアドバイスが可能になるのも大きなメリットです。内科や整形外科、眼科など、診療科にとらわれず、同じ医師が包括的に治療にあたるというのも訪問診療の利点と言えるでしょう。
編集部
では、反対に訪問診療のデメリットや注意点はありますか?
藤田先生
在宅医療では、自宅でおこなえる治療に限りがあるため、高度な検査や緊急対応が必要な場合には対応できないことがあります。何かあった際は、緊急時の連絡窓口などに連絡を入れて指示を仰がなければなりません。
※この記事はMedical DOCにて<「訪問診療」が受けられる人の特徴はご存じですか? メリット・デメリットや始め方も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




