大腸がん5年生存率95%以上! 自覚症状のない早期がんを見つけるためにできること【医師が解説】

大腸カメラ(大腸内視鏡)は、大腸の状態を直接観察することができる検査で、さまざまな異常を早期に発見するための重要な手段です。今回は、大腸がんになるとどんな症状が表れるのか「横浜内科おなかクリニック」の山田先生に解説してもらいました。

監修医師:
山田 晃弘(横浜内科おなかクリニック)
編集部
大腸ポリープをその場で切除できるのはすごいですね。
山田先生
逆に言うと、がんが「粘膜下層」という部分よりも深く浸潤していた場合、内視鏡での切除が難しくなり、開腹手術や抗がん剤治療などを行う必要性があります。また、ポリープの場合も、あまりに数が多かったり、大きなものだったりした場合は、検査中ではなく、後日改めて切除することもあります。
編集部
まずは早期発見が大事なのですね。
山田先生
その通りです。先ほどお伝えした炎症性腸疾患や大腸憩室、虚血性大腸炎などは、病気の種類や程度にもよりますが、腹痛、下痢、血便、発熱、体重減少などが症状として表れますので、こういった症状が気になった方は、早めに受診することをお勧めします。
編集部
大腸がんの初期症状についても教えてください。
山田先生
早期の大腸がんは、自覚症状がほとんどありません。進行すると便通異常(下痢や便秘)や血便、腹痛、貧血などが表れますが、例えば血便などは、目で見ただけでは気が付かないほど少量から始まります。症状に気がついた時点では、かなり進行してしまっている可能性もあるのです。
編集部
進行すると、治療が大変になってしまうのですよね?
山田先生
その通りです。治療自体が大変になるだけでなく、5年生存率も早期がんでは95%以上なのに対し、進行がんでは大きく下がってしまいます。大腸がんは、早期発見・早期治療ができれば完治する確率の高いがんなのです。
※この記事はメディカルドックにて<中年以降の人は「大腸がん」のリスク増 大腸カメラで見つかる病気と早期発見のメリット>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。



