「白内障」は自覚しにくい? 見え方の変化や初期症状について医師が解説

白内障は加齢とともに進行しやすい病気ですが、初期の段階では気づかないことも少なくありません。中には、老眼が改善したように感じるケースもあり、発見が遅れることもあるようです。白内障の早期発見のために、どのような症状に注意すべきか、「杉田眼科」の吉田先生にお聞きしました。

監修医師:
吉田 真人(杉田眼科)
編集部
白内障に早めに気づくには、どんな症状が出るかを知っておいたほうがいいですね?
吉田先生
白内障はさまざまな症状があらわれます。視力低下は定番中の定番ですが、霧視感(むしかん)と言って霧のように見えるとか、太陽の光が非常にまぶしく感じるなども白内障の症状です。暗いところで見えにくくなることもありますし、加齢性の場合ではメガネの度数が合わなくなってくることもあります。
編集部
とにかく見えにくく感じてきたら疑ったほうがいいですね?
吉田先生
そうとも限らないケースもあります。もともと遠くがよく見えて近くが老眼で見えにくかった人が、近くが見えるようになって、「最近眼鏡がいらなくなった」などといっている場合もあります。こういう患者さんの場合は特に不便ではないため、気づかないまま長年過ごして、かなり進行してから受診するというケースもまれではありません。
編集部
「年取るとこんなものかもしれない」と、のんきにしていてはいけないですね?
吉田先生
白内障に関しては特に、患者さんたちは家族や友達との会話をきっかけに受診する方も非常に多いですね。近所の人や兄弟に、「ちょっと眼科に行ったほうがいいわよ」と言われたので来ましたという。自ら、ものが見えにくくなったから受診しましたという患者さんは少ないのです。これは、以前から面白いことだと思っています。
編集部
確かに何かきっかけがないと受診しようと思わないかもしれません。
吉田先生
男性の場合は、免許証の書き換えに行ったら落とされてしまったと、大慌てで受診されるというかたも多いくいらっしゃいます。見えていると思って運転していたというのですから、危ないですね。いずれにしても、見え方がおかしいと思ったら早めに受診してほしいですね。
※この記事はメディカルドックにて【白内障は防げないってホント? なにか予防法はないの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。