「白内障」を進行させる原因はお酒? 日常生活で気をつけるべき習慣を医師に聞く

白内障の予防は難しいとされていますが、日常生活で気をつけるべきことはあるのでしょうか? 近年、抗酸化作用のある食品が白内障のリスクを抑える可能性があるとして注目されています。特に、ルテインを含む緑黄色野菜やビタミンが豊富な果物は、目の健康維持に役立つとされています。白内障と生活習慣の関係について、吉田先生にお聞きしました。

監修医師:
吉田 真人(杉田眼科)
編集部
日常生活で注意するとよい点はあるのでしょうか?
吉田先生
最近は、抗酸化食品がいいなど、いろいろ言われていますね。白内障も紫外線や酸化ストレスなどが主な原因になっていると考えられますから、抗酸化効果の高いビタミンを多く含む野菜やくだものは積極的に摂っていただけばいいと思います。抗酸化食品は眼だけでなく、体のあらゆる部分の酸化を防ぐので、全体としてプラスに働くと考えられています。
編集部
ほうれん草やパセリなどに多く含まれているルテインも話題になっていますね。
吉田先生
ルテインは抗酸化物質の中では効果の高いものだと言われています。例えば、加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)などの患者さんが高濃度のルテインを摂取すると病気の進行が抑えられるというようなデータは存在します。しかし、他の疾患に関しての科学的なデータについては、はっきりいえません。ただ、悪いものではないので、ある程度の摂取はよいだろう、また、摂り続けたり逆に一時的に摂らなかったりしても悪いことにはならないだろう、というように予測している研究者のほうが多いということです。
編集部
進行を抑えられるといわれる疾患があるのなら、積極的に採ったほうがいいですね?
吉田先生
ただし、どんなものでも過剰摂取はすすめられません。例えば、たばこを吸っていた人に緑黄色野菜などに多く含まれるベータカロチンを大量投与すると発がん率を高めるというデータがあります。体にいいから摂ればいいというものではないのです。やはり医師や薬剤師に相談していただくのがいいと思います。
編集部
最近はサプリメントでも手軽にとることもでき、さまざまなものが市販されています。選ぶ時に気をつけることはなんでしょう?
吉田先生
眼にいいと宣伝しているベリー類では糖分が多すぎないか気をつけてください。パッケージの成分表示をよく確認して、ほかの製品と比較してみることも大切でしょう。しばしばサプリメントを薬だと勘違いしている人がいますが、サプリメントはあくまで補助食品です。病気が治ると期待してとり続け、健康被害に遭っている方たちもいます。
編集部
サプリメントで健康被害も出るのですね?
吉田先生
もちろんです。皆さん非常にサプリメントがお好きですから、注意してください。
編集部
日常の生活習慣で白内障の進行を進めてしまうようなことはありますか?
吉田先生
そうですね。飲酒、つまりアルコールですね。大量飲酒は白内障を引き起こしやすくなります。そもそも、お酒を飲みすぎると糖尿病になりやすいのですが、肝機能障害などの代謝系に疾患があると、やはり白内障は進行しやすいようです。
※この記事はメディカルドックにて【白内障は防げないってホント? なにか予防法はないの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。