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50代以上必見! 「前立腺がん」のPSA値の基準値や医師の推奨する検診頻度とは

 公開日:2025/02/27
前立腺がん 危険度

前立腺がんは、日本の男性が罹患するがんの中で最も多い疾患です。50歳を過ぎるとリスクが高まるため、定期的なPSA検査が推奨されています。PSAの基準値は年齢によって異なり、これを超えた場合には精密検査が必要です。今回は新井先生に、PSAの基準値や検診のタイミングについて詳しく解説していただきました。

編集部編集部

PSAの数値は、どれくらい高かったらがんが疑われるのでしょうか?

新井 学先生新井先生

年齢によって基準値が異なります。50〜64歳の場合には3.0ng/mL以下、65〜69歳は3.5ng/mL以下、70歳以上は4.0ng/mL以下が基準値とされ、これを超える場合には精密検査が必要になります。

編集部編集部

前立腺がんの検診は何歳から受けたら良いのでしょうか?

新井 学先生新井先生

一般に、前立腺がんは50歳を過ぎると罹患率が高くなることがわかっています。そのため50歳を過ぎたら、一年に一度は前立腺がん検診を受けることが推奨されています。ただし、前立腺がんは遺伝的要素もある程度関わるとされているため、親や兄弟など身内に前立腺がんの患者がいる場合には40代から定期検診を受けるようにしましょう。

編集部編集部

遺伝することもあるのですね。

新井 学先生新井先生

いわゆる遺伝疾患ではありませんが、発がんに関わる遺伝子もいくつか見つかっており、遺伝的な要素が関連することがある、とされています。もし身内に前立腺がんを発症した人がいる場合、PSAの基準値を見る際には1段階年齢を下げ、より厳しい基準で判断することをお勧めします。

編集部編集部

PSA検査は定期的に受けた方が良いのですか?

新井 学先生新井先生

はい。まずは、50歳を過ぎたら一度は検診を受けるようにしましょう。その後は、PSAの数値によって測定間隔を決めると良いでしょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

新井 学先生新井先生

現在日本において、男性に発症するがんのなかで罹患率1位は前立腺がんです。高齢化の影響もあり、患者数は非常に増えています。一般的に前立腺がんは進行の緩徐な疾患ですが、進行すれば生活を制限され、QOLも低下します。また、がん性疼痛に悩まされたり、悪性疾患であるため、生命に関わったりすることもあります。そうした事態を避けるためには、できるだけ早い年代に前立腺がんの検診を受けることが必要です。早期に発見できれば適切な治療を行うことで、長期間にわたって元気な人生を歩むことができます。該当する年代の方は、ぜひ、一度検診を受けていただきたいと思います。

新井 学

監修医師
新井 学(あらい泌尿器科)

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1991年3月東京医科歯科大学医学部 卒業、東京医科歯科大学医学部附属病院(現・東京医科歯科大学病院)泌尿器科入局。藤沢市民病院泌尿器科、春日部市立病院(現・春日部市立医療センター)泌尿器科、東京都多摩老人医療センター(現・東京都立多摩北部医療センター)泌尿器科、中野総合病院泌尿器科、獨協医科大学越谷病院(現・獨協医科大学埼玉医療センター)泌尿器科准教授、獨協医科大学埼玉医療センター前立腺センター 教授、獨協医科大学埼玉医療センター総合がん診療センター センター長などを経て2023年4月あらい泌尿器科開院。日本泌尿器科学会専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。

※この記事はメディカルドックにて【「前立腺がん」と診断される基準はご存じですか? 検査の内容やPSA値を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師

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