前立腺がんの症状や原因、治療方法とは?
前立腺がん(読み方:ぜんりつせんがん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
藤田 亨 医師(皿沼クリニック 理事・院長)
前立腺がんとは
前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。早期に発見すれば治癒することが可能です。また、多くの場合比較的ゆっくり進行します。
近くのリンパ節や骨に転移することが多いですが、肺、肝臓などに転移することもあります。
前立腺がんの中には、進行がゆっくりで、寿命に影響しないと考えられるがんもあります。がんではない、ほかの原因で死亡した男性を調べた結果、前立腺がんであったことが確認されることがあります。このように、生前にはがんが見つからず、死後の解剖によりはじめて見つかるがんをラテントがんといいます。
引用:国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/index.html
前立腺がんの症状
早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありません。しかし、尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの症状が出ることもあります。
進行すると、上記のような排尿の症状に加えて、血尿や、腰痛などの骨への転移による痛みがみられることがあります。
引用:国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/index.html
前立腺がんの原因
加齢
前立腺がんは、60歳以上の男性では年齢の増加とともに急激に患者数が増加します。ホルモンのバランスの変化が原因ではないかと考えられていますが、詳しいことは分かっていません。引用:アステラス製薬
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/prostatecancer/basicinformation02.html
遺伝
家族(とくに父または兄弟)に前立腺がんの方がいる場合は、前立腺がんになる確率が高いといわれています。家族の中に前立腺がんになった方が何人もいる場合、またその方が50歳くらいといった比較的若い時期に前立腺がんを発症している場合は、注意が必要です。引用:アステラス製薬
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/prostatecancer/basicinformation02.html
人種・生活習慣
血液中の男性ホルモンの濃度の違いから、前立腺がんになりやすいのは、黒人種、白人種、黄色人種の順であるといわれています。しかし、同じ黄色人種でも、ハワイ在住の日系人では日本在住の日本人よりも前立腺がんが多いという報告があり、PSA測定をうけた人の割合とともに食習慣や生活環境の影響もあると考えられます。引用:アステラス製薬
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/prostatecancer/basicinformation02.html
前立腺がんの検査法
前立腺がんの診断には、まず「スクリーニング検査」を行います。スクリーニング検査とは、前立腺がんの可能性がある人を見つけるための検査のことです。採血のみの「PSA検査」のほか、施設によっては「直腸内触診」、「画像検査(経直腸的超音波《エコー》検査、前立腺MRI検査)」を併用することがあります。
スクリーニング検査によってがんが疑われた場合には、次にがんの「確定診断」を行います。ここでがんが確定された場合には、続いて「病期診断」を行い、がんの進行度(広がり)を確認することになります。
引用:アストラゼネカ What’s?前立腺がん
https://www.zenritsusen.jp/diagnosis/
前立腺がんの治療方法
治療の選択肢は、病気の進行度によって異なってきます。
また、患者様の年齢・QOL(生活の質)の維持・社会的状況等を考慮して決定されます。病期(A&)B
・待機療法
・手術療法(前立腺全摘除)
・放射線療法(体外照射・小線源療法・粒子線・陽子線等)
・内分泌(ホルモン)療法
・手術・放射線療法+内分泌療法など
病期C
・放射線療法(体外照射)
・手術療法+放射線療法(体外照射)・内分泌療法など
・内分泌(ホルモン)療法
病期D
・内分泌(ホルモン)療法 状況により放射線療法をあわせて行う引用:順天堂大学医学部附属順天堂医院 泌尿器科
http://juntendo-urology.jp/disease/prostate_cancer/