もしかして「うつ病」? セルフチェックポイント8選と見逃しやすいサインとは【医師解説】

うつ病は、誰にでも起こりうる病気です。ストレスや環境の変化、身体的な要因など、さまざまな要因が重なって発症することがあり、決して特別な病気ではありません。しかし、適切な治療を受けることで、多くの人が回復へと向かうことができます。そこで今回は、うつ病のリスクをセルフチェックする方法や、似た症状を持つ他の病気との違いについて、種市先生にお話を伺いました。
編集部
うつ病は、誰でもなる可能性がある病気なのでしょうか?
種市先生
うつ病は誰にでも起こりうる可能性のある病気です。心の健康に関する一般的な問題であり、世界中の多くの人が経験しています。さまざまな要因によって引き起こされる可能性があり、性別や年齢、社会的地位に関係なく発症します。しかし、早期に発見し適切な治療を受ければ、多くの人が症状を改善し回復することができます。
編集部
「うつ病のリスクがあるか」をセルフチェックする方法はありますか?
種市先生
- 気分が沈んでいる、悲しい、無気力、または絶望的である
- 以前楽しんでいた活動に対する興味や喜びがなくなる
- 睡眠障害(過剰または不足)
- 食欲の変化や体重の変動
- 疲労感やエネルギーの低下
- 価値がないと感じる、自己嫌悪
- 集中困難や決断を下すのが難しい
- 死にたいと思う
このような症状が2週間以上続いている場合、うつ病の可能性があります。その他、標準化された質問票「PHQ-9(Patient Health Questionnaire-9)」などのスクリーニングツールを用いて症状を評価することができ、自分の精神状態に関する質問に回答する形式になっています。
編集部
うつ病と間違えられやすい病気にはどのようなものがありますか?
種市先生
まず、「不安症」が挙げられます。不安症は、不安や緊張、睡眠障害など、うつ病と似た症状を持つことがあり、うつ病を併発することもあります。また、「双極性障害(躁うつ病)」は、うつ状態と躁状態を繰り返す病気で、うつ状態のときにはうつ病と間違えられることがあります。さらに、「甲状腺機能低下症」も考えられます。この病気は、疲労感や気力の低下、体重増加など、うつ病と似た症状を引き起こすことがあります。その他、「貧血」や「睡眠時無呼吸症」「脳血管疾患」など、全く別の病気が隠れている場合もあります。

監修医師:
種市 摂子(Dr.Ridente株式会社 代表取締役)
※この記事はメディカルドックにて【「うつ病」のセルフチェックポイント8選! 予防法・注意すべき人について精神科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。