腎臓病や膀胱がんを早期発見! 泌尿器科でおこなう検査の種類と重要性を医師が解説

尿の異常や排尿時の違和感があると、どのような検査を受けるべきか気になりますよね。泌尿器科では、尿検査をはじめ、尿培養検査、超音波検査、CT検査、膀胱鏡検査など、症状や疑われる疾患に応じたさまざまな検査がおこなわれます。特に腎臓や膀胱の病気は自覚症状が出にくいため、早期発見が重要です。今回は、泌尿器科で受ける検査について磯野先生に伺いました。

監修医師:
磯野 誠(所沢いそのクリニック)
編集部
泌尿器科では、どのような検査をおこなうのですか?
磯野先生
症状や疑われる疾患によって異なりますが、一般的にはまず尿検査をおこないます。膀胱炎が疑われる場合には正確な診断と適切な治療のため、追加で尿培養検査などもします。
編集部
尿培養検査とはなんですか?
磯野先生
尿培養検査は、尿中の細菌の種類や抗菌薬に対する感受性(どの抗菌薬が効いて、どの抗菌薬が効かないか)を調べる検査です。膀胱炎と診断された場合には、抗菌薬による内服治療をおこないます。
編集部
そのほかには、どのような検査があるのですか?
磯野先生
がんが疑われる場合には尿細胞診、超音波検査、CT検査、膀胱鏡検査などをおこないます。尿細胞診とは、尿にがん細胞が含まれていないか調べる検査です。超音波検査では、膀胱や腎臓に腫瘍があるか、大きさに異常がないか、結石がないかなどがわかります。
編集部
膀胱鏡検査とはなんですか?
磯野先生
膀胱の中を観察する内視鏡検査です。膀胱鏡検査では、胃カメラ検査や大腸カメラ検査と同じように膀胱の内部に内視鏡を挿入し、直接目で観察します。これによって小さな早期がんを発見できる可能性が高まります。
編集部
様々な検査があるのですね。
磯野先生
はい。特に腎臓の疾患は、何らかの自覚症状が出たときには進行していることも多いので、定期的に検査を受けて病気を早期に発見することが非常に重要です。尿に違和感を覚えたら、早めに専門医を受診しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
磯野先生
尿の色や臭い、頻度の変化、排尿時の痛み、泡立ち、血尿など、尿に関する異常は、私たちの体の健康状態を示すサインであることが多いのです。これらの症状は、感染症、炎症、腎臓や膀胱の疾患など、様々な原因によるものである可能性があります。放置していると、症状が悪化したり、治療が困難になったりする可能性もあるので、早期発見・早期治療がとても重要です。何かしらの違和感や症状を自覚している人は、泌尿器科にご相談ください。私たち専門家がしっかりとサポートし、最適な治療を提案します。ご自身の体を大切にして、一歩を踏み出してみることが大切です。
※この記事はメディカルドックにて【「尿の異常」の原因はご存じですか? 対処法や“注意したい腎臓の病気”も医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。