「尿が泡立つ」症状はどんな病気が考えられる?医師が徹底解説!
尿が泡立つとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「尿が泡立つ」のは「腎臓病」や「糖尿病」が原因?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)
目次 -INDEX-
「尿が泡立つ」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「尿が泡立つ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
ネフローゼ症候群
尿に多量の蛋白が混ざる、ネフローゼ症候群という疾患群があります。
尿の泡立ちを自覚し、下肢を中心としたむくみが出現した場合、ネフローゼ症候群の可能性があります。
ネフローゼ症候群は腎臓で尿に蛋白質が漏れ出してしまう病気で、治療法は原因によって異なります。尿の泡立ちに体のむくみを伴う場合は腎臓内科を受診して原因を調べてもらいましょう。
蛋白尿
腎臓病でも感染症でもなく、脱水でもない、健康な方にも蛋白尿はでます。
例えば運動後やストレス、寒さなどが原因で一過性に蛋白尿が出ることがあります。
立ち上がった時に物理的な原因となる起立性蛋白尿、というものもあります。
いずれも一時的なもので大きな心配は要りません。
繰り返し尿が泡立つかどうか、朝起きてすぐの体を動かす前の尿が泡立っているかどうかを確認しましょう。
腎臓病
腎臓で炎症が起きている時、尿に蛋白や血が混ざることがあります。
尿の泡立ちに加え、肉眼的血尿(真っ赤な尿)が出る場合、腎臓の炎症、腎炎が起きているかもしれません。内科、腎臓内科を受診して検査しましょう。
糖尿病
糖尿病は、病名の通り尿から糖が出ることがありますが、主な病態は血糖値の上昇です。
遺伝要因や生活習慣などの環境要因により血糖値を下げるホルモン「インスリン」が不足することで発症します。
尿が泡出つことに加えて甘い臭いがする時は、血糖値が高いことで尿が糖に漏れ出てしまっている、所謂糖尿病の可能性があります。
糖尿病は放っておくと目の網膜症、腎機能の障害、手足のしびれなどの神経症、動脈硬化の進行といった取り返しのつかない合併症の発症につながります。酷いケースでは血流障害から下肢の切断に至ります。速やかに内科、糖尿病内科で相談するようにしましょう。
膀胱炎
膀胱炎は膀胱の炎症性疾患であり、主に膀胱内に細菌が感染することで発症します。
主な原因として水分摂取不足、尿を我慢すること、妊娠、性交渉などが挙げられます。
症状としては、排尿時痛、頻尿、残尿感、下腹部不快感を認め、尿が白く濁ることで分かる場合もあります。対処法としては水分摂取による利尿促進が有効であり、膀胱に尿を貯めておかないことが重要です。発熱などの症状を伴う場合は医療機関、主に泌尿器科や内科を受診しましょう。飲み薬や点滴の抗生物質を使って治療することで改善します。
「尿が泡立つ」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「尿が泡立つ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
尿が泡立つのは病気ですか?
久高 将太 医師
多くの場合は病気ではありません。尿の勢いにより発生する泡を気にかける方も多くいらっしゃいます。尿の勢いが原因でない場合においても、最も頻度が高い原因は水分不足です。しかし、泡立ちが連日続く場合、体の浮腫みを伴う場合、肉眼的血尿(赤い尿)を伴う場合、排尿時の違和感や残尿感がある場合は医療機関への受診をお勧めします。
どの程度尿が泡立つと病院に行ったほうがいいですか?
久高 将太 医師
泡立った尿を1分間眺めてみてください。泡が消えない場合、尿中に蛋白や糖が含まれている可能性を否定できません。速やかに泡が消える場合は、単に排尿時の勢いで泡立っている可能性があります。
特に注意すべき尿の泡立ちはありますか?
久高 将太 医師
尿が白く濁っている場合は尿路の感染症である可能性があります。尿路の感染症は、排尿痛や違和感、残尿感を伴うこともあります。発熱を伴う場合は早急な治療が必要な場合もあるため、速やかに泌尿器科や内科を受診しましょう。足や全身の浮腫、肉眼的血尿(真っ赤な尿)がみられる場合は腎臓病の可能性がありますので、早急に内科、特に腎臓内科への受診を検討してください。臭いを確認すると良い場合もあります。尿に糖が含まれている場合は甘い臭いがするかもしれません。糖尿病の可能性があるので、内科や糖尿病内科への受診をお勧めします。
まとめ
尿の泡立ちは多くの場合心配いりません。
物理的な泡立ち、水分不足、問題のない一過性の蛋白尿が原因であることがほとんどです。
ですが、長時間尿が泡立つ状態が毎日、特に朝一番尿でみられるとき、もしくは真っ赤な尿や足のむくみを伴うときには注意が必要です。
ご心配であれば悩まずお近くの医療機関で相談してみてください。
「尿が泡立つ」症状で考えられる病気
「尿が泡立つ」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
泌尿器科の病気
糖尿病内科の病気
多くの場合には、物理的な泡立ち、水分不足、問題のない一過性の蛋白尿が原因です。
「尿が泡立つ」に似ている症状・関連する症状
「尿が泡立つ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
「尿が泡立つ」の症状の他にこれらの症状がある場合でも「腎盂腎炎」「ネフローゼ症候群」「膀胱炎」「糖尿病」などの疾患の可能性が考えられます。長時間尿が泡立つ状態が毎日、特に朝一番尿でみられる場合や、真っ赤な尿がある場合、足のむくみを伴う場合には、早めに医療機関を受診しましょう。