「自律神経失調症」と「うつ病」の違いはご存じですか? 医師が解説

「自律神経失調症」と「うつ病」は、どちらも気分の落ち込みや体のだるさなど、似たような症状が現れることがあります。しかし、実はこの2つは異なるメカニズムで発症するため、適切な対処法も異なります。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか? そこで医師の種市先生に、自律神経失調症とうつ病の違いを解説してもらいます。

監修医師:
種市 摂子(Dr.Ridente株式会社 代表取締役)
編集部
はじめに、自律神経失調症とはどのような状態なのですか?
種市先生
自律神経失調症は、自律神経の乱れによって引き起こされる不調のことを言います。不整脈や血圧の変動、消化不良、胃の不快感、過剰な発汗、睡眠の問題、疲れ・だるさ、手足の冷えやほてりなどが現れます。これらの症状は、ストレスや過労、睡眠不足、栄養不足、身体的な病気や心の問題など、様々な要因が組み合わさって引き起こされます。
編集部
うつ病についても教えてください。
種市先生
うつ病は気分の乱れが特徴的な病気です。物事に興味を持てなくなる、元気が出ないといった「精神的な症状」や、眠れなくなる、体がだるい、口が渇くといった「身体的な症状」が現れます。これらの症状が長期間続くと日常生活に大きな影響を与え、重症になると自殺の考えが現れることもあるので、適切な治療が必要です。
編集部
うつ病と自律神経失調症は似た症状が出ますが、どのように違うのでしょう?
種市先生
うつ病は、様々な要因で自律神経のバランスが崩れることによって生じる場合が多い疾患です。気分の落ち込みが前面に出ている場合は、うつ病と診断されることが多いですね。他方、自律神経失調症は特定の疾患名ではなく、体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経のバランスが崩れた状態を指します。
※この記事はMedical DOCにて【「自律神経失調症」と「うつ病」の違いをご存知ですか? 自律神経の整え方を精神科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。