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花粉症になる人とならない人の違いとは? 花粉症の症状や間違えやすい病気を医師が解説

 公開日:2025/02/27

花粉症に悩まされる人も多いようですが、発症する人としない人にはどのような違いはあるのでしょうか。また花粉症の人の中にも、年によって症状が異なるのはなぜでしょうか。粉症と風邪の違い、舌下免疫療法の効果など、気になる疑問に中島先生が詳しく答えます。

中島先生

監修医師
中島 規幸(なかじまクリニック 院長)

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昭和大学医学部卒業。獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科入局、同局の助教も努める。その後、東埼玉総合病院耳鼻咽喉科医長に就任。2014年、埼玉県さいたま市になかじまクリニック開院。2017年には医療法人三優会なかじまクリニック設立。おもに首より上の領域を中心とした地域医療を提供し続けている。医学博士、日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医、日本アレルギー学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会、ほか参加学会多数。

編集部編集部

そもそも花粉症とは、どのような状態のことをいうのでしょう?

中島先生中島先生

花粉の刺激に対する過度な反応で、ヒスタミンなどの化学物質が分泌されることにより、鼻水、くしゃみ、涙、目のかゆみなどを伴います。お薬の目的は、ヒスタミンなど炎症をひきおこす働きを抑えることです。

編集部編集部

なる人とならない人がいるのは、どうしてですか?

中島先生中島先生

花粉にさらされることを「暴露」というのですが、どの量まで暴露に耐えられるのかが人によって違うのです。このことを、バケツに例えることがあります。バケツからあふれたときが発症したときなので、鼻水などの諸症状はいきなり現れます。このバケツの大きさは人それぞれで、あふれるまでその大きさを知ることはできません。

編集部編集部

先ほどの「舌下免疫療法」は、バケツを満たしてしまわないのでしょうか?

中島先生中島先生

その心配はありません。「舌下免疫療法」の場合、アレルゲンを体内に直接取り入れるので、暴露とは異なったプロセスです。安心してください。

編集部編集部

年によって、花粉の感じ方が違うような気がするのですが?

中島先生中島先生

ヒスタミンの分泌量は、ストレスや思い込みなどによっても変わるからです。体調がいいと、花粉を感じないこともあります。もちろん、花粉そのものの飛散量も関係しているでしょう。

編集部編集部

あるときから、別の花粉症に悩まされることはあるのですか?

中島先生中島先生

もちろんです。花粉の種類ごとに別のバケツがあります。フラワーショップで働いている人やガーデニングが好きな人は、常にいろいろなバケツを満たしているのでは。不安でしたら、パッチテストによる検査を受けてみてください。

編集部編集部

いったん花粉症にかかると、もう治らないのでしょうか?

中島先生中島先生

まれにですけど、治る人がいます。原因はわかっていないものの、食物アレルギーなどでも散見されますよね。大人になったら卵が食べられるようになったとか。一方、先に紹介した手術は、治すためのものではなく、症状を出なくするための方法です。

編集部編集部

花粉症と間違えやすい疾患は何ですか?

中島先生中島先生

代表的なのは、ウイルス性の鼻かぜです。間違えて花粉症の市販薬をのんでいても害はありません。かぜなので自然に治るから「効いた」と思うかもしれませんが、実際は別の話です。現実問題として、みなさん忙しくて、受診していられないと思います。花粉症の薬であれば、間違っていたとしても危険性はないですし、結果として治るならいいのかなと考えています。

※この記事はメディカルドックにて【花粉症対策の薬はどれがいい? いつから始めるべき?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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