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お酒好きにも朗報 「コーヒーは肝臓に良い飲み物」です!【医師解説】

 公開日:2025/01/23
酒好き必見

お酒をよく飲む人にとって「肝臓への負担」が気になるところ。しかし、コーヒーが肝臓の健康を守る手助けをしてくれるかもしれません。日本人を対象にした研究では、コーヒーを習慣的に飲む人は、飲酒習慣があっても肝機能が良好な傾向が見られるという嬉しい報告がされています。この記事では、佐藤将人先生に、コーヒーが肝臓に良い理由や、飲む際の適切な量・注意点について詳しく解説してもらいました。

佐藤 将人

監修医師
佐藤 将人(SUGAR LLC)

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「健康的に豊かに生きる」を理念に人的資本経営コンサルティングを手がける企業SUGAR代表医師。宮城県仙台市を拠点に、社員の心身のメンテナンスや企業の組織運営などの経営を支援する事業を展開。医学の知見を生かし肉体改造してシックスパックを達成したり、精神心理的知見からメタ認知的活動に従事。東北大学医学部医学科卒業、日本医師会認定産業医、中小企業診断士、労働衛生コンサルタント(保健衛生)臨床心理士、JSPO公認スポーツドクター、日本肝臓学会専門医、日本外科学会専門医、元仙台市食育推進会議委員、ヴィーガン。

編集部編集部

お酒をよく飲む人にとっても、コーヒーは肝臓に良い飲み物なのでしょうか?

佐藤 将人先生佐藤先生

はい。アルコールをよく飲む人にとっても、コーヒーは肝臓に良い飲み物です。日本人を対象とした研究では、「同じ量のお酒を飲む人同士で比べると、コーヒーを普段から飲んでいる人の方が肝機能のγ-GTPなど値が低い」ことがわかっています。(※5)また、「コーヒーをよく飲む人は、お酒を習慣的に飲んでも肝機能が上がりにくいかもしれない」とも言われています。(※5)コーヒーが苦手でなければ、適度に飲むことをおすすめします。

編集部編集部

1日にどのくらいの量を目安にすればいいでしょうか?

佐藤 将人先生佐藤先生

どのくらいのコーヒーの量が一番肝臓に好影響についてはわかっていません。しかし、コーヒーに含まれるカフェインの悪影響が出ないようにするために、カフェインの摂取量上限を目安にすることがおすすめです。具体的な目安としては、妊婦さんや授乳中の女性以外の大人の場合には400mg程度のカフェイン量に相当するコーヒー4杯を1日の上限としてください。(※6)また、妊婦さんの場合には300mg程度のカフェイン量に相当するコーヒー3杯、授乳中の女性の場合には200mg程度のカフェイン量に相当するコーヒー2杯を1日の上限にしてみてください。(※6)

編集部編集部

肝臓の機能が落ちている人がコーヒーを飲んでも大丈夫なのでしょうか?

佐藤 将人先生佐藤先生

肝臓の機能がすでに落ちている人の場合には、コーヒーの量を少し控えた方がいいかもしれません。肝硬変などの病気で肝臓の機能が悪い人は、コーヒーに含まれるカフェインを代謝するのに時間がかかるため、高血圧や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などの健康被害のリスクがあると言われています。(※6)そのため、医師に肝臓の機能がすでに落ちていると指摘されたことがある人や現在医療機関などで通院されている人はかかりつけ医に相談した上で、適度な量のコーヒーを飲むようにしてみてください。

参考文献:

※5. Coffee consumption and decreased serum gamma-glutamyl transferase and aminotransferase activities among male alcohol drinkers
Coffee consumption and decreased serum gamma-glutamyltransferase and aminotransferase activities among male alcohol drinkers – PubMed (nih.gov)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9698132/

※6. 食品安全委員会「食品中のカフェイン」
factsheets_caffeine.pdf (fsc.go.jp)
http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf

※この記事はMedical DOCにて【「コーヒーは肝臓に悪い飲み物」これって実際どうなの? 肝臓専門医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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