深夜に赤ちゃんが発熱したときの対処法を解説! 救急病院に連れて行った方がいいケースとは?
赤ちゃんが深夜に発熱すると、親としては大きな不安を感じるものです。しかし、発熱はウイルスや菌と戦っているサインで、多くの場合、翌朝まで様子を見るだけで十分です。その一方で、呼びかけに反応がない、けいれんや嘔吐がある、呼吸が苦しそう、40℃以上の高熱などの症状が見られたら、命にかかわる可能性があるため、すぐに救急病院を受診しましょう。深夜に赤ちゃんが発熱したときの具体的な判断基準や対処法を「看護師」の小笠原さんに解説していただきました。
監修看護師:
小笠原 あゆ美(看護師)
編集部
深夜に赤ちゃんが発熱したら、すぐに救急病院に連れて行った方がいいのでしょうか?
小笠原さん
赤ちゃんの急な発熱はびっくりしますよね。ですが、必ずしも救急病院に連れていく必要はありません。発熱自体は、人の体内に入ったウイルスや菌を免疫が排除しようとしている証拠です。熱が出ていても、しっかり意識があって、呼吸などにも問題がないのであれば普通の風邪である可能性が高いので、そのまま様子を見ていただいて構いません。翌朝まで待って、かかりつけ医を受診しましょう。
編集部
救急病院に連れて行った方がいいのはどんな場合ですか?
小笠原さん
発熱をしている時に注意すべきは、肺炎や脱水、髄膜炎といった病気にかかっていないかという点です。これらは呼吸困難につながったり、体内に毒素が溜まったりして、命に関わることもあります。呼びかけても反応がない、泣き止まない、けいれんしている、呼吸が苦しそうで顔色や唇が青ざめている、尿の量が少ない、両目がくぼんでいる、唇や口の中が乾燥している、嘔吐している、40℃以上の熱があるといった場合はすぐに救急病院に連れていきましょう。
編集部
高熱で後遺症が残ることはありますか?
小笠原さん
「高熱が出ると後遺症が残る」という話は時々聞きますよね。ですが、高熱による後遺症はよほどの事態にならない限り起こりません。実際に高熱で後遺症が残るのは、『細菌性髄膜炎』という病気にかかった時や、熱が41℃以上まで上がった時です。細菌性髄膜炎とは、脳や脊髄を包む髄膜に菌が侵入する病気です。最悪の場合は命を落としたり、知能障害などの後遺症が残ったりすることがありますが、ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンで感染リスクを大幅に下げられます。熱そのもので後遺症が残るのは、熱が41℃以上まで上がった時と言われています。そこまで熱が上がるのは非常に稀ですので、通常はあまり心配する必要はないでしょう。
※この記事はMedical DOCにて【深夜に赤ちゃんが発熱! どんな時に様子見、どんな時に救急病院へ行けばいいの!?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。