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「緑内障」の3つの治療法はご存じですか? メリット・デメリットや注意点も医師が解説

 公開日:2024/12/24
緑内障 治療法3選

緑内障治療には「薬物治療」「レーザー治療」「手術」の3つの選択肢があり、それぞれメリットとデメリットがあります。治療の選択や点眼薬の種類、医師や医療機関の経験が治療成功のカギとなります。 今回は、緑内障の治療法について「小江戸眼科内科 白内障・緑内障・糖尿病クリニック」の庄司先生に解説していただきました。

庄司 拓平

監修医師
庄司 拓平(小江戸眼科内科 白内障・緑内障・糖尿病クリニック)

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防衛医科大学校卒業。その後、防衛医科大学校病院専門研修医、行定病院眼科医長、埼玉医科大学眼科准教授などで経験を積む。2022年、埼玉県川越市に「小江戸眼科内科 白内障・緑内障・糖尿病クリニック」を開院。医学博士。日本眼科学会専門医、日本緑内障学会評議員、日本視野画像学会評議員、日本レーザー医学会評議員、日本眼科手術学会学術委員。日本網膜硝子体学会、日本眼光学学会、米国眼科学会(AAO)、米国緑内障学会(AGS)の各会員。埼玉医科大学眼科客員教授。

編集部編集部

緑内障の治療は、どのようにしておこなうのですか?

庄司 拓平先生庄司先生

基本的に、「薬物治療」「レーザー治療」「手術」という選択肢があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、例えば、薬物治療では長期にわたって毎日点眼をしなければなりませんし、レーザー治療や手術は治療によるリスクを伴います。また、レーザー治療や手術をしても眼圧再上昇のリスクもあります。

編集部編集部

治療では、どのような点に注意したらいいでしょうか?

庄司 拓平先生庄司先生

それぞれの治療法に様々な選択肢があるため、適切に選ぶことが必要です。例えば、点眼薬では房水の生産を抑制したり排出を促進したりするものや、神経保護効果を期待するものなど様々です。場合によってはそれらを複数組み合わせることでより高い効果が期待できることもあるので、点眼薬の選択が重要になります。

編集部編集部

点眼薬は、どのようにして選択するのですか?

庄司 拓平先生庄司先生

緑内障の治療薬は点眼剤だけで約20種類存在しますが、それぞれの点眼薬に特徴があります。例を挙げると、全身的な副作用があったり、ほかの飲み薬との併用が禁止されていたりする点眼、充血やまぶたの周囲が荒れやすい点眼剤、点眼回数の少ない点眼剤などです。

編集部編集部

様々な種類があるのですね。

庄司 拓平先生庄司先生

はい。実際には、患者さんの眼圧値、緑内障の状態とライフスタイルを加味した上で、最適と思われる点眼の組み合わせを提案します。また、実際に点眼した後も眼圧下降効果や副作用の発現具合をみながら、点眼の継続や変更・追加を判断していきます。

編集部編集部

レーザー治療や手術でも選択肢が多いのですか?

庄司 拓平先生庄司先生

はい。一口にレーザー治療といってもSLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)やLPI(レーザー周辺虹彩切開術)など、いくつかの種類があります。緑内障は症状によって様々なタイプに分類されるため、タイプによって的確に治療法を選択しなければなりません。さらに、難症例にはインプラント手術(エクスプレス・プリザーフロ・アーメド・バルベルト)といったものもありますが、高度な医療技術を必要とするため、施設基準を満たしていることを厚生局に届け出る必要があり、おこなえる医療機関は限られています。そのため、緑内障の治療経験が豊富な医師や医療機関を選ぶことをおすすめします。

編集部編集部

あらためて、どのように緑内障と向き合えばいいですか?

庄司 拓平先生庄司先生

緑内障の治療を受ける際には、「緑内障の専門医と名乗っている医師」「緑内障の手術を多数している医師」を選ぶといいでしょう。また、日本緑内障学会評議員や診療ガイドラインの作成メンバーを選ぶのもおすすめです。緑内障診療ガイドラインは、誰でも無料で入手可能です。ただし、緑内障の治療が始まると、2カ月に1回の程度の通院が必要になります。通いやすさという観点から、通える範囲で探すこともポイントとなるでしょう。

※この記事はMedical DOCにて【緑内障治療を受ける際の医院選びのポイントを眼科医が徹底解説 どこで治療しても同じ?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師

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