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お酒で性欲が高まる理由はご存じですか? 異性トラブルにも注意が必要なワケ

 公開日:2024/12/05

お酒を飲むと性欲が高まると感じる人は少なくありません。これはアルコールが神経伝達物質「ドーパミン」の分泌を促すためです。しかし、飲み過ぎるとアルコール依存症や性ホルモン分泌の低下、さらには異性とのトラブルに発展するリスクもあります。この記事では、飲酒と性欲の関係やその背景にあるメカニズム、さらに飲酒によるリスクとその対策について医師の中川先生が解説します。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

編集部編集部

お酒を飲むと性欲が高まる気がします。一体、なぜでしょうか?

中川 龍太郎先生中川先生

たしかに、アルコールを摂取すると、一時的に性欲が高まるように感じる人は多いようです。これはアルコールが神経系に作用し、「ドーパミン」という神経伝達物質の分泌が促進されるからです。ドーパミンは「快楽物質」とも呼ばれ、心地よい感覚や報酬感を生じさせます。したがって、アルコールを飲むことでドーパミンが増え、気持ちが高揚し、性欲が高まるように感じやすくなるのです。

編集部編集部

ドーパミンについて、もう少し詳しく教えてください。

中川 龍太郎先生中川先生

ドーパミンは主に中脳の特定の部位で生成され、脳の様々な領域に送られます。ドーパミンの主な役割としては、報酬・快楽の感覚、動機づけと欲求、注意と集中、運動制御などです。その中で、アルコール摂取と特に関わりが大きいのは、報酬・快楽の感覚です。アルコールの摂取によって快楽に関係するドーパミンが分泌されるため、アルコール摂取で快楽や幸福感を感じるとされています。

編集部編集部

飲酒によってドーパミンを分泌させることによるリスクはありますか?

中川 龍太郎先生中川先生

はい、あります。まず、飲酒量が増加することで「アルコール依存症」につながる点が挙げられます。東北大学の研究によると、「アルコールの反復摂取が持続すると、報酬を伝達する脳内のドーパミン受容体が増える可能性がある(※)」と報告されています。より快楽を感じやすくなるため、どんどん飲酒量が増えるという状況に進む可能性があります。また、アルコール摂取によって性欲が高まるという話もしましたが、「長期的な大量のアルコール摂取は、性ホルモン分泌を阻害して男性では男性機能不全、女性では月経周期の乱れや無排卵などを引き起こす」という報告もあります。そのほか、ドーパミンによって飲酒量が増えることで、「アルコール性肝炎」や「肝硬変」などをはじめとする、様々な健康リスクを引き起こします。

(※1)東北大学「酒量が増える脳内メカニズムの解明」
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press20210218_01web_alc.pdf

編集部編集部

リスクを避けるために気をつけた方がいいことはなんですか?

中川 龍太郎先生中川先生

飲酒によって性欲増大を感じる人は、異性とのトラブルに注意していただきたいと思います。アルコールには脱抑制作用があり、少量であればリラックス効果になりますが、多量になると気が大きくなったり他人との距離が近くなったりします。また、感情のコントロールが制御できなくなるなど、対人トラブルになり得る作用もあります。酔っている状態は判断力も低下しているため、様々なトラブルに巻き込まれる確率も上がるでしょう。お酒を飲む際は、節度を持って楽しみましょう。

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