「睡眠障害の予防法」を医師が解説 昼寝は効果的? 睡眠の質を高める方法は?
毎日の睡眠の質が悪いと、日々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)は低下してしまいます。睡眠の異常により、2型糖尿病や脳血管障害の発症リスクも高めることもあるため、注意が必要です。一体、睡眠の質を高めるにはどうすればいいのか、「リブ再生クリニック」の住吉先生を取材しました。
監修医師:
住吉 公洋(リブ再生クリニック)
編集部
日頃からの心がけについてさらに伺いたいです。
住吉先生
例えば、枕やマットレスを新調するといった「睡眠の質を高める」ための工夫も取り入れてみてはいかがでしょうか。市販品でも高機能で有用なものが出回っています。とくに枕の高さ、つまり「眠るときの首の角度」は重要です。また、マットレスの硬さは直接、体への負担としてはねかえってきますよね。あとは、寝具とは別ですが、起床時に日差しを浴びることで、体内時計が整います。
編集部
「昼寝」については、どのようにお考えでしょうか?
住吉先生
15~20以内の昼寝なら、脳の休憩という意味でも有効でしょう。しかし、昼寝の時間が一般に20分を過ぎると、脳は「睡眠時間」としてカウントします。そのせいで、夜に眠りにくくなることがあるかもしれません。上手な昼寝の仕方は、カフェイン飲料を飲んでから仮眠することです。カフェインは、摂取してから20分後くらいに効いてくるからです。
編集部
寝る直前に何をしていたかも問われますよね。
住吉先生
もちろんです。例えば、リラックス目的でゲームをしていたとしても、脳には膨大な情報が流れ込んでいます。自律神経の「交感神経」が優位となる興奮状態が続くでしょう。他方で睡眠に適しているのは、「副交感神経」が優位な休憩状態です。この切り替えは、すぐにできません。
編集部
寝酒についてはどうでしょうか?
住吉先生
アルコールは肝臓で分解されるので、あまり負担をかけすぎないようにしましょう。飲み過ぎて眠ると肝臓が疲れて、むしろ浅い眠りになってしまいます。酒量が次第に増加していくと悪循環ですし、二日酔いもつらくなると思います。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
住吉先生
一般に、睡眠障害を医療機関で治すという発想が乏しいのかもしれません。ご自身では気づけないような不具合のチェックも含めて、もっと医療機関をご活用ください。「質の高い眠りでハッピーに1日を送ろう」という願望も、立派な受診動機だと考えています。
※この記事はMedical DOCにて【「睡眠障害」の原因を医師が解説! 症状や治療法・日常的な対策もご紹介】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。