神経ブロック注射を受けるときの注意点はご存じですか? 費用も知っておきたい
神経ブロック注射を受ける上での注意点やそのときの流れ、費用などを医療法人恒尚会兵田クリニックの兵田先生に詳しく聞きました。
監修医師:
兵田 暁(医療法人恒尚会兵田クリニック)
編集部
神経ブロック注射を受けるときの流れを教えてください。
兵田先生
まずは問診をして、神経ブロック注射の適応かどうかを確認します。特に抗血栓薬や抗凝固薬などの、いわゆる「血液サラサラ薬」を飲んでいるかどうか、糖尿病かどうかなどはしっかり確認させていただきます。
編集部
その後、注射をするのですね。
兵田先生
はい。神経ブロック注射をおこなうと、感覚神経だけでなく運動神経もブロックされるため、その部分が動かしにくくなっている可能性もあります。そのため、注射後30分~1時間の安静時間を設けています。その後、腰や足への神経ブロック注射であれば、ちゃんと歩けるかなどを確認してから帰宅となります。手の神経をブロックする場合は、安静時間はもう少し短く15分くらいですが、やはり車の運転をする場合などは危険なので、安静後に問題なく動かせるかどうかを確認してから帰宅いただいています。
編集部
では、注意点などはありますか?
兵田先生
神経ブロック注射は、きちんとした専門医から受ければ、非常に安全性が高く、効果も高い治療法です。もちろん体に針を刺すので、感染や出血のリスクはあります。しかし、万が一これらが起こった場合でも、適切に対応させていただきますので安心してください。
編集部
神経ブロック注射の費用も気になります。
兵田先生
注射の種類によって金額は異なるのですが、保険適用なので比較的手軽にトライしていただけるかと思います。例えば、最もリーズナブルなトリガーポイント注射であれば、3割負担の場合は1回約300円、最も高額なものでも、1回約5000円で受けることができます。なお、実際の受診時は、それに加えて初診料や診察料などが上乗せされます。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
兵田先生
痛みを脳に伝えるのは神経なので、神経をブロックすることで、痛みを和らげることができます。効果は一時的なものですが、痛みが落ち着いている間に動いて筋肉をつけることによって、徐々に痛み自体もなくなっていき、注射が必要なくなったり、手術を回避したりすることもあるのです。痛みを抱えながら、内服薬だけで我慢していた人や、どうしても手術はしたくないという人などは、ぜひ一度、神経ブロック注射を検討してみてくださいね。
※この記事はMedical DOCにて【「神経ブロック注射」の効果の持続期間を医師が解説 繰り返し注射しても大丈夫?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。