「高血圧」の基準値はご存じですか? 正常値との比較や症状も医師が解説!
「高血圧」の基準値はご存じですか? 血圧の正常値と高血圧の症状についても「福本医院」の福本先生に解説していただきました。
監修医師:
福本 淳(福本医院)
編集部
「血圧が高くなった」と自分で気づくのは困難ですよね?
福本先生
そうですね。高血圧の自覚症状はわかりにくいので、健康診断などをきっかけにするしかないと思います。飲酒や慣れない運動でドキドキするのは、高血圧そのものというよりも、交感神経が優位になると生じるアドレナリンなどのせいでしょう。もちろん、ベースとなる血圧が高ければ、強いドキドキ感を覚えるはずです。血圧コントロールには、こうした「ベースとなる血圧」と「上昇幅」の双方をウォッチしていくことが欠かせません。
編集部
「ベースとなる血圧」のコントロールは、なんとなくイメージできます。
福本先生
そうかもしれませんね。「ベースとなる血圧」は血管の硬さで決まります。血管が柔軟なほど、心臓によるプレッシャーを受け止めてくれるからです。そして、動脈硬化の防止には、運動が効果的とされています。運動をすることで血流量が増加され、血管の柔軟性を保つとともに、動脈硬化の原因物質を流し去ってくれます。
編集部
他方の「上昇幅」のコントロールは、見当が付きません。
福本先生
「上昇幅」は血管の硬さに加えて、“自律神経の乱れ”で決まります。自動車のアクセルが交感神経で、ブレーキが副交感神経だとすると、「ブレーキの効きをよくする」必要があるということです。これに関連して昨今、注目されているのが、「肩こりと副交感神経」の関係です。副交感神経の通り道には肩や首の筋肉があるため、肩こりによって副交感神経を圧迫すると考えられています。
編集部
ちなみに「高血圧」とされる数値は、いくつからなのですか?
福本先生
医療機関で測定した場合「最高血圧が140、最低血圧が90mmHg」以上とされていて、どちらか一方でも上回っていたら高血圧とみなされます。なお、ご家庭で計測できる場合は、「最高血圧135、最低血圧85mmHg」を目安としましょう。普段と異なった環境の医療機関では緊張されるかもしれないので、「プラス5」の上振れ幅を見込んでいます。
編集部
その一方で、正常とされる血圧の数値はいくつですか?
福本先生
同じく診察室血圧で「最高血圧120、最低血圧80mmHg」未満、家庭血圧で「最高血圧115、最低血圧75mmHg」未満です。家庭血圧を測定する場合、起床後すぐか就寝直前がおすすめです。日中の血圧は、それまで何をしていたかによって上下します。
※この記事はMedical DOCにて【高血圧による受診の判断は、そのときの数値よりも普段の様子を! そのために欠かせないのが「自己測定」という結論】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。