「大腸CT検査」と「大腸カメラ」 中高年へのお勧めは? 辛いのが嫌な人にはどっち?
天白宮田クリニックの宮田先生は、中高年の場合「大腸CT検査」と「大腸カメラ(内視鏡)」なら大腸カメラを勧めるそうです。年代によってどのような判断をしているのか、回答の理由について、詳しく教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【「大腸CT検査」と「内視鏡検査」はどっちがいいの? 中高年には内視鏡がオススメか】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
宮田 雅弘(天白宮田クリニック)
編集部
大腸CT検査と内視鏡検査には、それぞれメリットとデメリットがあることがわかりました。それでは、どちらの検査を受けるべきか、どうやって選べば良いのでしょうか?
宮田先生
大腸CT検査や内視鏡検査を受けるシーンとしてよくあるのが、「大腸がん検診で陽性だった」というもの。この場合を例に考えてみます。まず、若い人の場合はがんが見つかる可能性が低いため、内視鏡検査に抵抗がある場合は、大腸CT検査で異常がないか確認するのが良いでしょう。
編集部
中高年の場合は違うのですか?
宮田先生
中高年の場合は、がんのリスクが高くなりますし、ポリープがあることも多いので、内視鏡検査をお勧めします。そうすれば、万が一、ポリープが見つかっても、その場で切除することができますから二度手間になりません。
編集部
年代やがんのリスクで区別するのですね。
宮田先生
そうですね、「便潜血反応で陽性だった」という理由で大腸検査を受ける場合、若い人なら病気のリスクが低いため、大腸CT検査を行うことが多いですね。しかし、中高年で便潜血が陽性の場合、ポリープや大腸がんなどのリスクを考え、内視鏡検査をお勧めします。大腸CT検査よりも内視鏡検査の方が、小さい腺腫や早期がんの段階の発見するのに適しており、またポリープ切除等の処置もその場で行うことができるからです。
編集部
簡単にいえば、若い人は大腸CT検査、中高年になったら内視鏡検査、と覚えておけばいいでしょうか。
宮田先生
簡単にいうとそうなりますが、もちろん、その人の症状や既往歴なども考慮して検査方法は決めますから、一概には言えません。検査を行う際には、患者さんの希望も重要です。40代や50代でも「内視鏡検査は辛いからいやだ」ということなら大腸CT検査を行うこともありますし、反対に若い人でも「検査と治療を一度で済ませたい」という場合は内視鏡検査を行うこともあります。
編集部
それぞれの検査のメリットやデメリットを考慮しながら、患者さんの希望も考慮して選択するのですね。最後にメッセージをお願いします。
宮田先生
多くの患者さんにとっては、「苦痛のある検査は受けたくないけれど、病気があるなら見つけてほしい」というのが実情だと思います。そのため、私が検査を行う際には患者さんの希望もきちんと考慮し、検査方法を決めています。「辛いから検査を受けたくない」ではなく、まずは検査を受けることが大切です。鎮静剤を使うなど、検査時の苦痛を減らす方法もあるので、ぜひ、検査を怖がらず、医師と相談していただきたいと思います。