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血糖値の上昇を防ぐ! 「糖尿病を進行させないため」にはどんな治療が必要なのか

 公開日:2024/07/11
合併症を発症しないために

糖尿病の進行を止めるには「血糖値の上昇を防ぐ」ことが重要になります。血糖値のコントロールというと、やはり食事指導が最初に浮かびますが、ほかにどのような方法があるのでしょうか。日暮里内科・糖尿病内科クリニックの竹村先生に伺いました。

※この記事はMedical DOCにて【糖尿病の専門医が教える合併症の怖さ。失明、身体の一部を切断することも】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

竹村 俊輔

監修医師
竹村 俊輔(日暮里内科・糖尿病内科クリニック)

プロフィールをもっと見る
2010年東海大学医学部卒業、2012年済生会川口総合病院初期研修医修。2012年東京女子医科大学糖尿病・代謝内科入局。2019年東京女子医科大学大学院内科学(第三)卒業、2019年東京女子医科大学糖尿病・代謝内科助教。2021年日暮里内科・糖尿病内科クリニック院長就任。これまでの経験から、「重症化を未然に防ぐため、誰もが通いやすいクリニックをつくり、すべての人の健康で幸せな生活をサポートしたい」と考えて開業を決意した。

編集部編集部

糖尿病の合併症には、三大合併症のほかにどのようなものがあるのですか?

竹村俊輔医師竹村先生

これらの三大合併症のほかにも、たとえば糖尿病は動脈硬化を起こしやすくなるため、狭心症や心筋梗塞などの心臓病や、脳梗塞や脳出血などの脳卒中を招くことがあります。また、かぜやインフルエンザ、肺炎、膀胱炎などの感染症にかかりやすくなったり、高血圧や脂質異常症などを発症するリスクが高くなります。

編集部編集部

糖尿病を発症したら、どのように治療するのですか?

竹村俊輔医師竹村先生

治療の基本は、主に食事療法と運動療法です。まず食事療法では、適正なエネルギー量を適正な栄養バランスで摂取し、血糖値の上昇を防ぎます。運動療法では、筋肉量を増加させ、基礎代謝を上げることで肥満になりにくい体質を作ります。運動をするとインスリンが効きやすくなり、血糖値が正常に戻りやすくなります。

編集部編集部

それでも治らない場合はどうするのですか?

竹村俊輔医師竹村先生

適切な検査を行いながら内服薬や注射薬などの薬物療法を併用します。まず内服薬で、インスリンの分泌を促進したり、インスリン作用をよくしたりする薬を用います。また、注射薬ではインスリンを直接体内に投与するほか、血糖値を下げる働きのあるGLP-1を補うために「GLP-1受容体作動薬」を投与することもあります。このような治療を行いながら、症状を進行させないように努めます。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

竹村俊輔医師竹村先生

糖尿病の合併症は、一生、付き合っていかなければならないものもあります。そうなると生活の質を落としてしまいますし、場合によっては命に関わることもあります。つまり、糖尿病の治療においては、合併症を発症しないことがとても大切なのです。確かに糖尿病は初期症状が乏しく、自覚しづらいという難点がありますが、早いうちに発見して治療を開始すれば、合併症への進展を抑制することができます。そのためにも、健康診断や人間ドックなどで血糖値が高いことが指摘されたら、必ず病院で検査を受けるようにしましょう。

この記事の監修医師

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