糖尿病の運動療法は強度より継続が重要 「最初はストレッチや準備運動」でも可
これまでに運動してこなかった人が、糖尿病の運動療法のために突如として運動を行うと「不調の原因になることもある」と語るのは清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニックの清水先生。運動療法の効果を得られるための秘訣を教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【糖尿病の運動療法・有酸素運動は「できることから」。強度ではなく、継続が大事】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
清水 裕史(清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック)
編集部
運動療法は、どのように進められるのでしょうか?
清水先生
まず、検査や問診から運動療法の可否を確認します。その上で運動療法が可能であると判断した場合には、患者さんの基礎体力や体重、年齢などを考慮して運動量を設定します。最初は日常生活の中で歩数を増やすなど、身体活動量を増やすことから始め、段階的に運動を取り入れていきます。
編集部
糖尿病治療のための有酸素運動では、具体的にどんな運動を行うのでしょうか?
清水先生
ウォーキングやジョギング、水泳などの全身運動が基本です。患者さんの状態によってさまざまですが、基本的には1週間のうち3〜5日程度行っていただきます。例えば、ウォーキングでは1日5000歩を目標にすることから始め、徐々に1万歩を目指すなど、段階的に運動量を上げていくことが多いでしょう。
編集部
運動の強度はどのくらいで行えば良いですか?
清水先生
一般的には、中等度程度が推奨されています。軽く息が弾み、かつ苦しくない程度といえばわかりやすいでしょうか。しかし、今まで運動習慣がなかったのに、いきなり中等度の運動を行うと、不調の原因になることがあります。最初はストレッチや準備運動などから始め、主治医の指示に従って徐々に運動の強度を上げていくことが大切です。
編集部
最初は軽度の運動でも、効果はあるのでしょうか?
清水先生
今まで運動を行っていなかった場合などは、軽度だったとしても運動を始めることで血糖値の改善効果が期待できるでしょう。しかし、継続しなければ効果は期待できません。運動の強度よりも、継続することが重要です。