「PET検査後に体調が悪くなる」ことはある? 気になる放射線被ばくについて医師に聞く
全身のがんなどを一度に調べることが出来る「PET検査」ですが、放射能を含む薬剤を用いて撮影をおこないます。そうなると気になるのは放射線被ばくですよね。今回、PET検査による放射線被ばくや検査後の注意点について、宇都宮セントラルクリニックの佐藤先生を取材しました。
※この記事はMedical DOCにて【がん検診の「PET (PET-CT) 検査とは何か」を医師が解説 メリット・デメリットは? わかる「がん」・わからない「がん」もある?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
佐藤 俊彦(宇都宮セントラルクリニック)
編集部
PET検査ではどんなことをするのですか?
佐藤先生
来院していただいたら、まずは問診をおこないます。その後、血糖測定をし、問題がなければFDG薬剤を注射します。薬が全身にいきわたるまで1時間ほど安静にしていただき、その後、撮影をおこないます。検査自体の時間は15〜20分ほどですが、受けたあとはしばらく安静にしていただきます。その後は、普通に帰宅していつも通り生活することができます。
編集部
放射線被ばくが少し心配です。
佐藤先生
PET検査の被ばく線量は、FDG薬剤の注入量にもよるのですが、1回あたり約3.9mSvです。PET-CTならこれにCT検査の被ばく5~14mSvが加わります。これはただちに悪影響を及ぼすほどの線量ではありません。FDGは検査後も体内に多少残っているため、念のため検査後6時間程度は、妊婦さんや赤ちゃんへの接触は控えていただいています。
編集部
検査を受けた後にだるくなるなど、体調が悪くなるということはないでしょうか?
佐藤先生
そんなことはありません。とくに副作用のない、安全な検査であることが、たくさんの調査・研究でもわかっています。
編集部
最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。
佐藤先生
PET(PET-CT)検査は、安全かつ簡便で、非常に優れた検査です。また、炎症の検出にも有用なので、リウマチや膠原病の診断や活動性の評価にも用いられています。被ばく量も少なく、副作用の心配もなく、入院の必要もありませんので、「よく分からないから怖い」と思っていた方も、一度検討してみはいかがでしょうか。