【婦人科医に聞く】避妊リング(ミレーナ)の効果が持続するのは5年!?
子宮内避妊リング「ミレーナ」は子宮内に装着する避妊具ですが、効果が持続するのは約5年と言われています。詳細を医師の村上先生に聞いてみました。
監修医師:
村上 雄太(GYNメディカルグループ 池袋クリニック)
編集部
子宮内避妊リング「ミレーナ」について教えてください。
村上先生
ミレーナは、子宮内に装着する小さなT字型をしているプラスチック製の避妊具です。「避妊リング」や「IUS」という名前でも知られています。装着することで、「レボノルゲストレル」という合成黄体ホルモンがずっと出続ける状態になります。レボノルゲストレルは子宮内膜が厚くなるのを妨げる働きがあるため、内膜はずっと薄い状態となり、着床しにくくなるのです。
編集部
避妊の効果はどれくらい持続するのでしょうか?
村上先生
ミレーナを装着すると、約5年間、レボノルゲストレルが分泌され続けます。その間は避妊の状態が続くとされています。
編集部
5年間も続くとはすごいですね!
村上先生
もともとミレーナは避妊具として使われ、日本では2007年に承認されました。その後の2014年9月、過多月経と月経困難症(生理痛)の治療に対して有効なことがわかり、ミレーナが保険適用となりました。
編集部
なぜ、ミレーナは過多月経や月経困難症にも効果的なのですか?
村上先生
そもそも過多月経が起きるのは、子宮の内膜が非常に厚くなることが原因です。それが月経血とともに排出されるため、結果的に出血量が増えてしまいます。ミレーナを装着することで、子宮内膜はずっと薄いままになるので出血量が減少するのです。
編集部
月経困難症に対しては、いかがでしょうか?
村上先生
月経血を体の外へ押し出す働きをするものに「プロスタグランジン」という物質がありますが、これには痛みを感じさせる働きもあるため、月経の出血量が多くなるとプロスタグランジンも増え、生理痛がひどくなります。ミレーナで月経血量を減らすことによって、プロスタグランジンの量を減らして生理痛を抑えます。