「骨密度」を上げる”6つの食べ物”はご存じですか?摂るべき栄養素も医師が解説!

骨密度を上げる食べ物とは?メディカルドック監修医が骨密度を上げる栄養素や食べ物などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「骨密度を上げる食べ物」はご存じですか?下げる食べ物もあわせて医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岩佐 沙弥(医師)
山口大学医学部卒業。初期研修医終了後、整形外科医として勤務。現在はリハビリテーション医学を専門とし、幅広い疾患による障害の治療を行っている。地域の医療に携わってきた経験が長く、現在も地域のクリニックに勤務。一人一人の生活に合った運動や食事の提案を行えるよう心がけている。
【資格】
医学博士、整形外科専門医、リハビリテーション科専門医・指導医、日本医師会認定産業医、障害者スポーツ医
目次 -INDEX-
骨密度とは?
骨は、単なる体を支える構造物ではなく、古い骨が壊され(骨吸収)、新しい骨が作られる(骨形成)サイクルを繰り返して新陳代謝を行っている生きた組織です。骨がどのぐらい丈夫かを示す指標が、骨密度です。新陳代謝のバランスが崩れ、骨を壊すサイクルに傾くことにより、骨密度が低下します。骨密度が低下すると、骨がもろくなり、些細な衝撃でも骨折しやすくなる「骨粗しょう症」のリスクが高まります。骨粗しょう症は高齢者の病気だとイメージされる方も多いと思いますが、過度なダイエットやホルモンが乱れることなども骨粗しょう症のリスクが高まります。気づかないうちに骨折のリスクが高まっている可能性があるため、定期的な骨密度検査などで自身の骨の状態を把握し、骨折してしまう前に対策を始めることが重要です。
骨密度を上げる栄養素
骨密度を維持・向上させるためには、食事も重要です。骨密度を上げる栄養素を知り、食事の内容を見直してみましょう。
カルシウム
カルシウムは、丈夫な骨を作るのに欠かせない、とても大切な栄養素です。体のカルシウムのほとんど(約99%)は骨と歯にあります。残りのわずかなカルシウムは、血液や細胞の中にいて、筋肉を動かしたり、神経の働きを助けたりと、生きていくために必要な大事な働きをしています。血液中のカルシウムの量は、いつも一定に保たれています。もし食事から足りなくなると、体は骨からカルシウムを借りてきて、血液中の量を補おうとします。これが長く続くと、骨の中のカルシウムが減ってしまい、骨密度が低下する原因になります。
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムが体の中に入りやすくするための「案内役」のようなものです。腸でカルシウムがスムーズに吸収されるのを助けます。また、吸収されたカルシウムが骨に定着するのを助け、新しい骨を作ることを助けます。ビタミンDが足りないと、せっかくカルシウムを摂っても骨にしっかり届きません。また、ビタミンDは食べ物から摂れるだけでなく、太陽の光を浴びることで私たちの皮膚でも作られるため、適度な日光浴が必要です。
ビタミンK
ビタミンKは、骨が丈夫になるための「のりしろ」のような働きをします。骨に存在するオステオカルシンというタンパク質を活性化し、カルシウムが骨に沈着するのを手助けし、骨からカルシウムが溶け出してしまうのを抑える働きもあります。
マグネシウム
マグネシウムも、骨や歯を作るのに欠かせないミネラルです。体のマグネシウムの約60%は骨にあります。カルシウムが体に吸収されるのを助けたり、骨を作るのに必要な酵素の働きを活発にしたりと、骨の健康を保つ上でとても大切な役割を担っています。
タンパク質
タンパク質は、骨の土台となるコラーゲンの材料になります。コラーゲンは、骨にしなやかさを持たせ、骨密度を保つ上で重要な働きをしています。また、タンパク質は筋肉を作るためにも必要不可欠です。筋肉は骨に適度な刺激を与え、骨が新しく作られるのを促す働きもしています。
骨密度を上げる可能性の高い食べ物
骨密度を上げる可能性のある栄養素を豊富に含む食品を積極的に食事に取り入れることで、効果が期待できます。
乳製品
乳製品は、骨の健康に不可欠なカルシウムを豊富に含んでいます。牛乳コップ1杯(200ml)には、約220mgのカルシウムが含まれており、効率的にカルシウムを摂取できる優れた食品です。また、乳製品に含まれる乳糖は、カルシウムの吸収を促進する働きがあると言われています。ヨーグルトやチーズは、牛乳よりもカルシウム濃度が高いものもあり、手軽に摂取できる点も魅力です。
具体的な食品名: 牛乳、ヨーグルト、チーズなど
魚
小魚は、骨ごと食べられるため、カルシウムを丸ごと摂取できる非常に優れた食品です。また、サケやイワシ、サンマなどの脂の乗った魚は、効率よくビタミンDを摂取できる優れた食材です。
具体的な食品名: しらす干し、ちりめんじゃこ、煮干し、干しエビ、サケ、イワシなど
緑黄色野菜
緑黄色野菜は、カルシウム、ビタミンK、マグネシウムなど、骨の健康に必要な様々な栄養素を含んでいます。特に小松菜やほうれん草は、カルシウム含有量が多く、ビタミンKも豊富です。ブロッコリーは、ビタミンKの他にビタミンCも豊富で、コラーゲン生成を助ける働きがあります。
具体的な食品名: 小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、モロヘイヤなど
きのこ類
きのこ類もビタミンDを含む貴重な食材です。特に干ししいたけは、太陽の光を浴びることでビタミンDが増えるため、生しいたけよりも多くのビタミンDを含んでいます。
具体的な食品名: 乾燥きくらげ、干ししいたけ、ぶなしめじ、まいたけなど
納豆
納豆は、骨の健康に重要なビタミンK2を豊富に含んでいます。ビタミンK2は、骨形成を促進するタンパク質の働きをサポートし、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあります。また、納豆にはカルシウムやタンパク質も含まれています。
大豆製品(豆腐、豆乳、厚揚げ)
大豆製品は、植物性タンパク質が豊富で、骨の土台となるコラーゲンの生成をサポートします。また、豆腐や厚揚げにはカルシウムも含まれており、特に厚揚げはカルシウム含有量が多いのが特徴です。さらに、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをすると言われており、閉経後の女性の骨密度維持に役立つ可能性が指摘されています。
具体的な食品名: 豆腐、豆乳、厚揚げ、きな粉など
「骨密度を上げる食べ物」についてよくある質問
ここまで骨密度を上げる方法などについて紹介しました。ここでは「骨密度を上げる食べ物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
低下した骨密度を食事で回復させることはできますか?
岩佐 沙弥 医師
一度低下してしまった骨密度を、食事だけで完全に回復させることは難しい場合が多いです。食事の見直しに加えて、適度な運動を取り入れること、日光を浴びること、禁煙や節酒などの生活習慣の改善など、複合的な取り組みが必要です。すでに骨密度が著しく低い場合や骨粗しょう症と診断された場合は、医師の指導のもと、薬物療法を併用することで骨密度を改善できる可能性があります。
骨粗しょう症を発症した際に控えた方が良い食べ物はありますか?
岩佐 沙弥 医師
骨粗しょう症と診断されても、「これを絶対に食べてはいけない」という食品はありません。しかし、骨密度がさらに下がらないよう、いくつか気をつけたい食品はあります。具体的には、リンが多く含まれる加工食品や清涼飲料水、摂りすぎると良くないカフェイン、アルコール、そして塩分の多い食事などです。大切なのは、バランスの取れた食生活の中で、食べる量や頻度を適切に調整することです。
まとめ 骨密度が気になるときは整形外科を受診
骨粗しょう症は食事や運動、生活習慣の改善で予防できます。見えないからこそ定期的な検査を受けましょう。
「骨密度」の異常で考えられる病気
「骨密度」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
骨の病気
- 骨粗しょう症
- 続発性骨粗しょう症
腎臓の病気
- 慢性腎臓病(CKD)
消化器の病気
参考文献