「悪玉コレステロール」を減らす方法・下げる食べ物はご存知ですか?医師が解説!
悪玉コレステロールとは?Medical DOC監修医がLDLコレステロールを減らす方法や基準値、数値が高い人の病気のリスクなどを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「悪玉コレステロール」を減らす方法・下げる食べ物はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
悪玉コレステロールが多い時に考えられる原因と対処法
悪玉コレステロールが増えすぎると、動脈硬化を招いて心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を引き起こす可能性があります。そのため、悪玉コレステロールが多い場合は基準値まで減らすことが大切です。
悪玉コレステロールとは?
悪玉コレステロールとは、LDLコレステロールのことです。低比重リポタンパク質や低密度リポタンパク質とも呼ばれています。LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きをもつコレステロールです。そのため、悪玉コレステロールと呼ばれています。悪玉とは呼ばれているものの、基準値内であればとくに問題はありません。しかし、基準値を超えて増えてしまうと、血管壁に蓄積して血管の弾力性が失われてしまいます。悪玉コレステロールの値を調べるために行われるのが血液検査です。医療機関によって異なりますが、早いところでは採血してから1時間程度で結果を確認できます。
悪玉コレステロールが多い原因
悪玉コレステロールが多くなる原因はいくつかあります。代表的なのが、食生活やストレス、遺伝や肥満などです。コレステロールの約8割は肝臓で作られていますが、残りの約2割は食事から吸収されます。そのため、卵やいくらのようなコレステロールが多く含まれる食事を好んで摂取していると、悪玉コレステロールが多くなってしまうことがあるのです。ストレスを受けると、ストレスホルモンと呼ばれているコルチゾールの分泌量が増えます。コルチゾールには悪玉コレステロールを増やす働きがあるため、ストレスを溜め込まないことが大切です。このほか、遺伝や肥満も悪玉コレステロールの値に関係しています。遺伝が原因で悪玉コレステロールの数値が高くなる代表的な疾患が家族性高コレステロール血症です。家族性高コレステロール血症の場合、若い年齢のうちから悪玉コレステロールの値が高くなります。
悪玉コレステロールを減らす方法
悪玉コレステロールを減らす方法としては、食生活や運動習慣の見直しが効果的です。コレステロールが多い食品や動物性脂肪を摂りすぎないようにし、EPAやDHAが豊富な青魚を意識して食べるようにします。適度な運動を行うことも心がけましょう。中強度以上の有酸素運動を一日に合計30分以上行うことで、悪玉コレステロールの値を減らす効果が期待できると言われています。毎日運動を行うのが望ましいとされていますが、週に3日以上でも構いません。また、一度に30分続けて運動を行う必要はなく、一日の合計が30分以上であれば大丈夫です。
「悪玉コレステロール」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「悪玉コレステロール」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
血液検査でLDLコレステロールが高いと脂質異常症なのでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
LDLコレステロールの値が140mg/dL以上の場合は、脂質異常症と診断されます。中性脂肪が高かったりHDLコレステロールが低かったりする場合も脂質異常症となるため、ほかの値にも注意しましょう。
悪玉コレステロールを下げる食べ物はありますか?
伊藤 陽子(医師)
悪玉コレステロールを下げる食べ物には、野菜や海藻、納豆などの大豆製品や魚類などがあります。ヨーグルトはダメと言われることがありますが、これは動物脂肪が多く含まれているためです。
悪玉コレステロールを下げるお茶はありますか?
伊藤 陽子(医師)
悪玉コレステロールを下げるお茶には、緑茶やほうじ茶などがあります。お茶に含まれているカテキンに悪玉コレステロールを下げる働きがあるのです。このほか、悪玉コレステロールを下げる飲み物として、豆乳やココア、アーモンドミルクなども知られています。
悪玉コレステロールを下げるサプリはありますか?
伊藤 陽子(医師)
悪玉コレステロールを下げる効果が期待できるサプリもあります。しかし、薬とは違って確実な効果があるわけではありません。
悪玉コレステロールが多いのは遺伝ですか?
伊藤 陽子(医師)
遺伝の可能性もあります。家族性高コレステロール血症といって、若いころからLDLコレステロールが高いことで、心筋梗塞を20才代から発症する場合もあります。300人に1人程度の比較的頻度の高い遺伝性の病気です。血縁者で心筋梗塞が多い場合、若い時からLDLコレステロールが高い場合には気を付けた方が良いでしょう。内科で相談をすることが勧められます。
悪玉コレステロールが増えてしまう食べ物はありますか?
伊藤 陽子(医師)
コレステロールが多い食事として、卵やラード、バターやショートニングなどが知られています。
まとめ 悪玉コレステロールは動脈硬化に注意!
悪玉コレステロールとは、LDLコレステロールのことです。140mg/dL以上になると脂質異常症となります。「高いとどうなるの?」と思われる方もいるかもしれません。悪玉コレステロールの値が高くなると、血管の弾力性が低下して動脈硬化になるリスクが高まります。心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を引き起こすこともあるため、悪玉コレステロールが高いと指摘された場合は、早めに内科を受診して適切な治療を受けましょう。
「悪玉コレステロール」の異常で考えられる病気
「悪玉コレステロール」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
代謝内分泌系の病気
- 家族性高コレステロール血症
- 脂質異常症
循環器系の病気
- 心筋梗塞・狭心症
脳神経系の病気
悪玉コレステロールが高い方のなかには、遺伝によって起こる家族性高コレステロールが原因のケースがあります。コレステロールが高い状態が続くと、心筋梗塞や脳卒中を起こすことがあるので注意しましょう。