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「クレアチニン」の異常で気をつけたい病気はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2026/01/12

メディカルドック監修医がクレアチニンのの異常で気をつけたい病気・疾患・対処法を解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「クレアチニン」とは?医師が病気のリスク・改善方法などを徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

クレアチニンとは?

筋肉を動かすためのエネルギーを蓄える物質であるクレアチンリン酸が、代謝されてできる老廃物がクレアチニンです。血液検査では、Cre、CRE、CREAなどの略語で記載されることもあります。クレアチニンは、体にとって不要なものであるため腎臓から排出されますが、腎機能が低下すると体内に残ってしまいます。このため、腎機能の評価をする際の指標として使用します。しかし、クレアチニンが高値を示す時は、すでに腎機能が正常の半分程度となっているという問題点があり、近年では腎機能の指標としてクレアチニンから算出される推算糸球体濾過量(eGFR)も合わせて評価することが多いです。

健康診断・血液検査の「クレアチニン」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「クレアチニン」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病とは、尿蛋白異常や糸球体濾過量60mL/min/1.73㎡未満が3か月以上持続している状態を指します。日本の慢性腎臓病罹患率は成人で8人に1人と言われ、高齢者ほど高率になります。原因としては、腎炎を含め多岐にわたりますが、近年は糖尿病、高血圧、喫煙、高尿酸血症など生活習慣病に伴うものが多いです。治療法としては、原因を治療することが大切であり、高血圧や糖尿病をしっかりコントロールすることで進行を防ぐことができます。健康診断などの採血でeGFRが60mL/min/1.73㎡未満となった場合には腎臓病が疑われます。早めに病院を受診しましょう。慢性腎臓病は腎臓内科の受診をお勧めしますが、まずは内科を受診し、再検査でも腎臓病が疑われたら、腎臓内科へ紹介してもらうこともできます。

筋ジストロフィー

筋ジストロフィーとは、骨格筋の構造や機能の維持に必要な蛋白質の遺伝子に変異が生じたことにより起こる遺伝性の病気です。筋肉が障害され、筋力低下や、機能障害が起こります。現時点でこの病気に対する根本的な治療薬はなく、新しい治療薬の開発が行われています。筋ジストロフィーは単に筋肉の障害のみではなく、筋肉が障害されることによって症状が進行すると、嚥下機能や心機能、呼吸機能など、多岐にわたる障害がみられます。クレアチニン値が低い、筋肉の障害に伴いクレアチニンキナーゼが高値、筋力低下、転びやすいなど筋肉の症状がある場合には、脳神経内科への受診をお勧めします。

「クレアチニン」が高い時、低い時の正しい対処法・改善法は?

クレアチニンが高い時には、腎臓病が疑われ、受診した上で原因に対する治療が必要になります。一般的に腎不全に対しての食事は、減塩・低蛋白食が勧められます。しかし、食事制限の必要性や、生活の制限などは腎臓病の原因、進行具合により異なります。安易に、「腎臓に良い」「クレアチニンを下げる」というような食事やレシピに飛びつかないようにしましょう。いずれの病態にしても、ストレスをためず、睡眠を良く取り生活リズムを整えることは非常に大切です。
一方、クレアチニンが低い時には、筋肉量が低下している可能性があります。筋肉疾患がない場合には、食事や運動で筋肉量を増やすことが勧められます。特に高齢者は、「サルコペニア」という全身の筋力低下による身体機能の低下が起こりやすいと言われています。これは、適切な運動と充分な蛋白摂取が勧められます。サルコペニアを合併すると認知症も進行しやすくなります。食事、運動の見直しを行いましょう。

「クレアチニン」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「クレアチニン」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

健康診断でクレアチニンが高い人は腎臓病の危険性がありますか?

伊藤 陽子伊藤 陽子 医師

クレアチニンが高い場合、腎臓病の可能性があります。自覚症状がなくとも、早めに再検査を受けましょう。

クレアチニンを下げる食事はありますか?

伊藤 陽子伊藤 陽子 医師

クレアチニンを下げる食事やサプリは、残念ながらありません。クレアチニンが上がって、腎障害があるのであればその原因に沿った治療をしましょう。

クレアチニンとクレアチニンクリアランスの違いはなんですか?

伊藤 陽子伊藤 陽子 医師

クレアチニン値は単純に血液中のクレアチニンの値を示し、腎臓機能の評価として用います。しかし、腎機能が半分以下程度に悪化するまで上昇しないため、初期の腎障害の評価としては不十分です。
一方、クレアチニンクリアランスとは、クレアチニンの腎臓での排泄能力を計算するものでより正確に腎機能を評価できます。しかし、一定時間の畜尿が必要であり、なかなか外来で行うことが困難です。

クレアチニンクリアランスの計算方法を教えてください。

伊藤 陽子伊藤 陽子 医師

クレアチニンクリアランス(mL/min/1.73㎡)=(尿Cr(mg/dL)×24時間尿量(mL))/(血清Cr(mg/dL)×1440(min))×1.73/体表面積(㎡)
となります。正常値はおおよそ100mL/min/1.73㎡です。

クレアチニンが高いのは水分不足でしょうか?

伊藤 陽子伊藤 陽子 医師

クレアチニンが高い場合には、水分不足の可能性もあります。しかし、腎機能の低下による場合もあり必ず再検査をしましょう。

まとめ 「クレアチニン」の異常は腎臓病に注意!

クレアチニンの異常は腎臓の病気のサインであることが多いです。腎臓は『沈黙の臓器』と呼ばれ、末期腎不全まで症状が出ないため注意が必要です。腎臓の病気を放置すると、元に戻りづらく進行して透析が必要となることもあります。早期発見、治療が非常に重要です。クレアチニンの異常が出たら、早めに受診して治療をしましょう。

「クレアチニン」の異常で考えられる病気

「クレアチニン」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

腎臓循環器系の病気

  • 腎臓病

そのほかの病気

クレアチニン値が高い時には腎臓病が最も疑われます。早めに病院を受診して精密検査を受けましょう。

この記事の監修医師

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