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【闘病】20年も“原因不明”で病院を転々… 40度の高熱を繰り返した『難病』

 公開日:2026/03/06
【闘病】下がらない微熱の正体は「家族性地中海熱」 診断つくまでが長かった…

約20年もの間、繰り返す高熱や原因不明の体調不良に苦しめられてきたとしえさん(仮称)。複数の病院を受診し、時にはICUに入るほどの危機を乗り越え、ついに指定難病「家族性地中海熱」という病名に辿り着きました。長年の苦しみが「怠け」ではなかったと安堵し、現在は服薬と体調管理ノートを活用してストレスを避けながら、病と穏やかに共生する軌跡を紹介します。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年2月取材。

としえさん

体験者プロフィール
としえ(仮称)

プロフィールをもっと見る

1978年生まれ。広島県在住。旅好きで、体調のよいときはよく旅行していたが、現在は年に1回程度。特に好きなのは京都とディズニーリゾート。家ではYouTube鑑賞や音楽鑑賞、読書などを愉しんでいる。現在の推しは「ANAチーム羽田オーケストラ」。「空港のライブ」「観光地のライブ」の鑑賞は日課で、ほかにホワイトタイガーの赤ちゃんなどの動物動画もよく観ている。プロフィール写真はヘアドネーション(自身の髪を寄付する活動)をおこなったときのもの(3度実施)。

田島 実紅

記事監修医師
田島 実紅(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

「微熱が続く…」正体不明の体調不良との闘い

「微熱が続く…」正体不明の体調不良との闘い

編集部編集部

最初に不調や違和感に気づいたのはいつですか?

としえさんとしえさん

約20年前になります。風邪をひいた後、何カ月も微熱が続きました。すでに社会人だったのですが、学び直しのために半期だけ大学に行くシステムを利用していたので、しんどいと思いながらも頑張って大学に通っていました。

編集部編集部

受診から、診断にいたるまでの経緯を教えてください。

としえさんとしえさん

熱が下がらなかったので、学校の帰りに病院で点滴をしてから家に帰るということを何度かおこなっていましたが、状況は気休め程度しか変わらずでした。さすがにこれはおかしいということで、1カ月ほど検査入院しましたが、やはり原因ははっきりせず「不明熱」という診断で退院し、大学病院の総合診療科に行くことになりました。しかし、そこでも教授クラスの先生から「原因不明」と言われてしまいました。ほかにも県外の慢性疲労症候群のクリニックなどにも行きました。

編集部編集部

原因不明の状態がずいぶん長く続いたのですね。

としえさんとしえさん

はい。ですが、その後も状況は変わらず、仕事もなかなかできずに騙し騙しといった感じでなんとか続けていました。40度の熱が出て緊急入院ということも何回かありました。ある時、血液検査をすると細菌感染していることがわかり、メロぺネムを点滴したのですが、アナフィラキシーショックで意識消失し、3日間ICUにいたこともありました。さらにその後、結節性紅斑(皮膚の下にある脂肪の層に炎症反応が起こる)で足が腫れ、皮膚科からリウマチ科を紹介されました。リウマチ科の先生から勧められて遺伝子検査を受けましたが、「非典型」とのことでした。

編集部編集部

結局、診断はついたのですか?

としえさんとしえさん

最終的には、「家族性地中海熱」と言われました。それでもショックよりは、これまでのつらさの原因がやっとわかってホッとしたという気持ちが強かったです。長いこと苦しんできたので「やっぱり病気だった」「怠け病ではなかった」と安心感すらありました。

ようやくたどりついた診断名「家族性地中海熱」

ようやくたどりついた診断名「家族性地中海熱」

編集部編集部

家族性地中海熱とはどんな病気なのでしょうか?

としえさんとしえさん

発症すると、突然40度近くの高熱と腹膜炎や胸膜炎、心膜炎、関節炎、精巣しょう膜炎、髄膜炎など、臓器を包む“膜”などに強い炎症が現れるようになります。症状が発作的に現れては改善するというサイクルを繰り返します。そのため発作がある期間は高熱のほか、炎症が起きている部位によって腹痛や胸痛、関節痛、腰痛、頭痛などが現れます。

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

としえさんとしえさん

指定難病でもあり、特効薬や完治する治療法などはないため、薬で症状を抑えながら様子を見ていきましょうとのことでした。実際の治療では、「コルヒチン」というお薬を飲んで経過観察をしています。

編集部編集部

診断の前後で変化したことを教えてください。

としえさんとしえさん

病気がわかる前はしんどくて大変でしたが、病気がわかって「レコノート」という自己免疫性疾患の体調管理のためのノートを毎日つけています。自分の行動を客観的に見つめることができて、以前は無意識のうちに無理をしていたことがわかりました。今では「無理したら後がきつくなる」とわかっているので、無理をしないように気をつけています。身体的・精神的なストレスなどが症状悪化に関係している可能性があるので、可能なかぎりこれらを避ける生活を送るのがベターなようです。

編集部編集部

今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか?

としえさんとしえさん

遺伝子科やその病気の検査などができる所があるのを知らなかったので、早く知りたかった。入院しても原因がわからず、しんどくてめまいが酷いのに退院を勧められたり、先生から、「これ以上来てもらっても……」と煙たがられているようなもの言いをされたりなど、きつい想いもしました。だからこそ、診断してもらえたときは、本当にホッとしました。

※この記事はメディカルドックにて《【闘病】下がらない微熱の正体は「家族性地中海熱」 診断つくまでが長かった…》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

 
(後編)【闘病】診断後の生活

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